拝啓、青空の向こうの君へ

𓂃⟡.·

今回は足を踏まれるだけで済んで良かった。最近は回数も増えてきているし、私そんなに嫌われてるのかな。机を並び直せたため考え事をしていると。クラスメイト達が戻ってきたようだ。不意に肩を叩かれ振り返るとそこには彼がいた。
「大丈夫?怪我してない?」と彼が心配そうに聞いてきた。普段は自分にしか興味が無さそうなのに明らさまに自分のことを心配してくれていることが少し嬉しい。
「うん。足踏まれただけ。」そういって踏まれた右足を出した。もう痛みはないし、普通に動くから問題は無いだろう。
「痛くないからってそのままにしておいちゃダメだよ。あとから痛くなったら嫌でしょ。せめて冷やそう。」と彼はロッカーに向かった。私はそのあとを追いかけながら、「いや本当に大丈夫だから、痛くなっても別に平気だし…。」
「良くない。」そういって彼はロッカーから保冷剤の包まれたタオルを出して私に持たせた。
「これいつも持ってるの?」今は1月の真っ只中で、運動をしても保冷剤がいるほど暑くなることなんてないのに。彼女が保健室にいて行けないから、もしかして私が怪我した時のために?そんな自分勝手な答えが浮かんできたが。有り得ないな。そう思って出てきそうになった言葉を頭の奥にしまった。
「別に、」彼は、私の足に保冷剤を当てながら素っ気なく答えた。彼が今、どんな顔をしているのかとても気になったが私にはわからない。
足にじわじわと冷たい感覚が広がる。もうすぐ春がくる。