拝啓、青空の向こうの君へ

𓂃⟡.·



「雲の向こうはいつも青空なんだよ。」そう彼が言う。
私はめんどくさくて適当に「そうだね。」と返した。

最近登校中はいつもこの話から始まる。
きっと今彼の中ではそんな感じの小説がお気に入りなのだろう。彼は好きな小説の中の気に入った言葉をよく使う。最近はよほどお気に入りなのかずっと同じ言葉を言ってくる。

彼が「もっとしっかり答えてよ〜」と言ってくるが私は聞こえないふりをする。最初は「当たり前じゃん。何を言っているの?」と返していたが、返答が「いつか行ってみたいよね〜」と会話にならないのでしっかり答えるのをやめた。
彼が「ねぇ〜どういう事なのか聞かないの?なんか聞いてよ。」と期待に満ちたにんまり顔で私を見てくる。私は「聞かない。死にたいって事でしょう?」となんとなく答えた。

「もう!なんでそういう答えになるかな!?合って
るけど!合ってるけど!!」

彼はそっぽを向いてしまう。どうやら私は彼の求めていた返答が出来なかったらしい。なんで2回言ったんだろう。彼はもう話す気がないらしいので、私は考え事にふける。

合ってるんだ。死にたいんだ。心臓が少し冷たくなったきがする。普段の彼は能天気でおちゃらけていて何も考えていないような男だったのに。幼なじみなのに知らないことも沢山あるんだなと思った。彼が死んだら私はどう思うのだろう。なんとも思わないのかな。何も感じないのかな。