月城くんが声を上げて驚いている横で、私も一緒に驚く。
確かこの雑誌は、普段雑誌を読まない私でも聞いたことがあるくらい有名な雑誌だったはず。
そんな雑誌の表紙に抜擢されるなんて、やっぱり月城くんってすごいんだなぁ⋯⋯。
「君がいいから頼んでるんだよ。じゃあ、見学の子はそこの椅子に座っててくれるかな?そこにあるお菓子は好きに食べていいから」
「は、はい!ありがとうございます」
+ + +
「じゃあ、好きな子とお家デートしてる風でお願いできるかな?」
「す、好きな子、ですか⋯⋯」
少しの間困ったように考え込んでいたけど、次の瞬間にはさっきまでのたどたどした雰囲気とは打って変わってキリッとした雰囲気を醸し出す。
わかってはいたけど、月城くんって芸能人なんだぁ⋯⋯。
「うーん⋯⋯いいんだけど、いいんだけど⋯もう少しリアリティが欲しいな⋯⋯あ、そうだ」
なんだか、さっきまで身近に感じてたのに、急に遠い存在になっちゃったな⋯⋯。
机に並べられていたポッキーを一本つまんでもそもそと食べていると、急に視線を感じて恐る恐る顔を上げる。
「ねえ、そこの見学の子!えっと、名前⋯⋯」
「あっ、えっと、一ノ瀬紗良といいます!」
さっきの男の人に指をさされて反射的に立ち上がって自己紹介する。
「紗良ちゃんか。紗良ちゃん、ちょっとモデルしない?」
「⋯⋯はい?」



