「みんなが来るまでまだ時間はあるんだし、少し話さない?いつも朝一人で寂しかったからさ」
「で、でも、僕なんかで、いいんですか……?しょ、正直僕、話すの苦手で……」
「いいのいいの!話すの苦手なんて普通のことだよ?それに、私は月城くんと話してみたい」
い、一ノ瀬さんが……僕と……っ!?
急展開すぎて言葉が出てこなかったけど、返事をしないのも失礼だと思って急いで首を縦に振る。
「じゃあ、私が勝手に質問していくね!えっと、まずは〜兄弟はいる?」
「え、えっと、一人っ子…です」
「そうなんだ!私はね、中二の弟がいるんだけど、なんでこんなにいい子なんだろうってくらいいい子でね!」
…なるほど、面倒見がいいと思ったらそれでかな……。
一ノ瀬さんの弟くんなら、優しいのも納得だ。
その後も僕達はいろいろな話をした。
と言っても、僕は質問されたことに必死に答えてただけだけど。
話した時間はほんの十分くらいだったけど、身に余るほどの幸せをもらってしまった……。
このときの僕はまだ知らない。
これ以上の幸福がこの先たくさん待ち受けていることを。



