私の朝は早い。
五時に起きて、十五分かけて洗顔と保湿をして、バレない程度のスクールメイクを施す。
背中まである長い髪は、寝癖直しとヘアアイロンを並行して使いながらストレートに仕上げて、ポニーテールに。
そこまで終わるとだいたい六時になったくらいの時間になるから、簡単に朝ごはんを作って食べて、まだ寝ているお母さんと弟の分のお弁当をリビングに並べておいて、六時四十五分、私は家を出る。
「行ってきまーす…」
二人を起こさないように音を立てないようにドアを閉めると、歩いて十五分くらいのところにある駅に向かった。
これが私が私であるための日常だ。
+ + +
よし、いつも通りの時間。
今日も私が一番乗りだろうと思って下駄箱を覗くと、もうすでに一つだけ靴が入っている。
あれ?誰だろう……。
私より早く学校に来ている人がいるのは、入学して半年が経ってもなお初めてのことだったから、好奇心で教室に向かう足がこころなしか早くなる。
「俺の大事な子に手を出すなっ!」
「えっ」
私が教室のドアを開けるのと、教室にいた人のセリフのタイミングが重なって、思わず声をだしてしまう。
その声で流石に私の存在に気がついたのか、恐る恐る声の主がこちらを振り向く。
「い、一ノ瀬、さん……」
「月城……くんっ!?」
私が思わず悲鳴のように叫んでしまったのは、目の前にいるクラスメイトの月城くんが私の知っている月城くんじゃなかったから。
私の知っている月城くんは、顔が前髪とメガネに隠れていてほぼ見えなくて、いつも自分の席で分厚い本を読んでいて、人と話す時はボソボソと小さい声で話している。
でも、今私の目の前にいるのはメガネを外して、前髪はセンター分けにした超絶イケメン。
それになんだか……どこかであったことがある……?
そう思ったけど、どれだけ考えても答えが出なかったから、考えるのをやめた。
「あ、あの…い、一ノ瀬、さん……?」
私が何も言わないのに痺れを切らしたのか、月城くんは急いで下ろした前髪の下から心配そうにこちらを見つめる。
どうやら、引っ込み思案なところは変わらないらしい。
「あっ、ごめん。ちょっと考え事してて……」
「そ、そうでしたか……あ、あのっ!い、今見た事は、その…誰にも言わないで貰えると、嬉しい、です……」
途切れ途切れになりながらも、必死にお願いしてくる月城くんの姿がなんだか可愛くて、思わずクスッと笑ってしまう。
「大丈夫だよ、誰にも言わない。言う必要も無いしね」
それに、月城くんの素顔はめちゃめちゃイケメンなんだよ!なんて言っても誰も信じない気がする……。
なんて思うのは失礼か。
ごめんね、月城くん。
「ほ、ほんとですか……!あ、ありがとう、ございますっ」
風の音が聞こえる勢いで頭を下げた月城くんに、またもや笑ってしまう私。
初めてちゃんと話したけど、実は月城くんって面白い……?
クラスメイトの意外な一面を知れてテンションが上がったのか、私はその勢いのまま月城くんが立っていた席の前に座る。
五時に起きて、十五分かけて洗顔と保湿をして、バレない程度のスクールメイクを施す。
背中まである長い髪は、寝癖直しとヘアアイロンを並行して使いながらストレートに仕上げて、ポニーテールに。
そこまで終わるとだいたい六時になったくらいの時間になるから、簡単に朝ごはんを作って食べて、まだ寝ているお母さんと弟の分のお弁当をリビングに並べておいて、六時四十五分、私は家を出る。
「行ってきまーす…」
二人を起こさないように音を立てないようにドアを閉めると、歩いて十五分くらいのところにある駅に向かった。
これが私が私であるための日常だ。
+ + +
よし、いつも通りの時間。
今日も私が一番乗りだろうと思って下駄箱を覗くと、もうすでに一つだけ靴が入っている。
あれ?誰だろう……。
私より早く学校に来ている人がいるのは、入学して半年が経ってもなお初めてのことだったから、好奇心で教室に向かう足がこころなしか早くなる。
「俺の大事な子に手を出すなっ!」
「えっ」
私が教室のドアを開けるのと、教室にいた人のセリフのタイミングが重なって、思わず声をだしてしまう。
その声で流石に私の存在に気がついたのか、恐る恐る声の主がこちらを振り向く。
「い、一ノ瀬、さん……」
「月城……くんっ!?」
私が思わず悲鳴のように叫んでしまったのは、目の前にいるクラスメイトの月城くんが私の知っている月城くんじゃなかったから。
私の知っている月城くんは、顔が前髪とメガネに隠れていてほぼ見えなくて、いつも自分の席で分厚い本を読んでいて、人と話す時はボソボソと小さい声で話している。
でも、今私の目の前にいるのはメガネを外して、前髪はセンター分けにした超絶イケメン。
それになんだか……どこかであったことがある……?
そう思ったけど、どれだけ考えても答えが出なかったから、考えるのをやめた。
「あ、あの…い、一ノ瀬、さん……?」
私が何も言わないのに痺れを切らしたのか、月城くんは急いで下ろした前髪の下から心配そうにこちらを見つめる。
どうやら、引っ込み思案なところは変わらないらしい。
「あっ、ごめん。ちょっと考え事してて……」
「そ、そうでしたか……あ、あのっ!い、今見た事は、その…誰にも言わないで貰えると、嬉しい、です……」
途切れ途切れになりながらも、必死にお願いしてくる月城くんの姿がなんだか可愛くて、思わずクスッと笑ってしまう。
「大丈夫だよ、誰にも言わない。言う必要も無いしね」
それに、月城くんの素顔はめちゃめちゃイケメンなんだよ!なんて言っても誰も信じない気がする……。
なんて思うのは失礼か。
ごめんね、月城くん。
「ほ、ほんとですか……!あ、ありがとう、ございますっ」
風の音が聞こえる勢いで頭を下げた月城くんに、またもや笑ってしまう私。
初めてちゃんと話したけど、実は月城くんって面白い……?
クラスメイトの意外な一面を知れてテンションが上がったのか、私はその勢いのまま月城くんが立っていた席の前に座る。



