透明な私にくれた色

 深夜二時。
 東京の街の星が眩しいくらいに輝いている。
 下町のマンションの一室でパソコンの画面が私を照らす。
 あの頃は人が信じられなくて俯いてばかりいたが、今は画面越しに架空の誰かの物語を紡いでいる。
 かつて救ってくれた言葉を文字という形に変えて。
 キーボードから手を離し、最後の一文に思いを込めて打つ。
「どこかにいるまだ見ぬあなたに届きますように」
 書き終え、静かにサイトの投稿ボタンをクリックした。
 窓の外から見える都心の景色は、何一つ変わらないがビルあの灯り、絶え間なく走り続けいるタクシー。
 転校を繰り返して孤独だった私の居場所になっていたあの場所のように繋がりを求めていたのかもしれない、
 もし戻れるとしたら、何と声をかけるだろう。