大学卒業後上京した私は一人暮らしで、頼れる人もいない。仲のいい友達は皆地元で就職したし、家族ももちろんこっちにはいない。帰りたいな〜で簡単に帰れるような距離でもない。
電話しようかと何度も思った。だけど、無理を言って上京をした事もあって、今更親には心配をかけられない、仲の良かった友達とも今では疎遠になってしまっている。…頼れない、誰も。
____私に味方なんていない。
こんな時、絶対的味方がいてくれれば…。少しは気持ちも軽くなっていたのかな。
そんな時、ふと、学生時代の友達との会話がよぎった。
〝「恋人作んなよ!愛されてる〜って感覚は最高だよ!?もう絶対的味方って感じでさ!」〟
恋人か。確かにそうかも。高校卒業以来、恋愛沙汰は全くなかったなあ。
「……恋、したいな」
「いいですね、俺としてみます?」
ポツリと呟いたそのまま消えてなくなるはずだった一言に返答があって、私は思わず右手に持っていた空の缶を地面に落とした。
「な、な、え、は!?だ、だれ!?」
「寒くないんですか?こんなとこで」
私の顔を見てにっこりと笑う見知らぬ男。空いた口が塞がらない。



