愛のない結婚をした継母に転生したようなので、天使のような息子を溺愛します

 だから向こうで死んだ私がこの中に入った?
 まぁ、もしくは初めから私はこの人として生まれ変わっていて、あの頭痛がきっかけで前の記憶を取り戻したって感じかしら。

 仕組みは全然分からないけど、なんだかなぁって感じね。
 どうせ生まれ変わるなら、もっとこう、いい感じの転生ってなかったのかしら。

 ヒロインの器じゃないのは知っているけど、別に虐げられるキャラじゃなくても良かったじゃない。
 まったく私は何をしたって言うのよ。

 悪いことなんて前世でもしてこなかったんだから、もう少しマシな役があったでしょうに。
 このままだと本気で恨むわよ、転生させたやつを。

「ブツブツ言っていても仕方ないわね。何にしても、食べて体力をつけないと。もう一回死んだら、今度こそどうなるか分からないわ」

 私はテーブルまでやっとの思いで這うように歩き席に着くと、侍女たちが運んできた食事を見た。

 湯気を立てていない冷めたスープは、ほとんど具が入っていなかった。
 細かい野菜のクズのようなものに、ベーコンか何かの切れ端が少しだけ。

 そしてその傍らには、いつ焼いたのかも分からないような固いこぶし大のパンが一つ。
 しかもそれは皿に乗せられるわけでもなく、そのまま丸く小さな木製のテーブルの上に直置きされていた。