愛のない結婚をした継母に転生したようなので、天使のような息子を溺愛します

「奥様、差し出がましいのですが、もしやそのまま外へ行かれるのですか?」
「え? ええ。何か変だったかしら」

 別にドレスを着ているわけでもないし、ただのワンピースだったのだけど、公爵夫人としては変かもしれないわね。

「変ではないのですが、今日の外は日差しが強いので、日傘や帽子がないと危ないかと思うのですが」
「あー、やはりあなたもそう思う? 私もそう思ったのだけど、クローゼットににそれらがなかったのよね」

 どこかにしまってあるのかな。普通は確かにクローゼットの上とかにしまってありそうなものなんだけど。見た感じどこにも小物はなかったのよね。
 アーユは私の言葉に怪訝そうな顔をした後、黙り込む。

「それでしたら、あとでお部屋を探してお庭までお届けさせていただきますね」
「そう? それは助かるわ」

 どこかにしまってあるのか。それとも元よりないのか。どちらにしても、あとで出してもらえるのなら助かるわ。

 さて。ルカはもう来ているかしら。
 スケッチブックとクレヨンを抱え、私は庭へと歩き出した。