愛のない結婚をした継母に転生したようなので、天使のような息子を溺愛します

 ストロベリーブロンドの長くふわふわした腰までの髪に、透き通るような真っ白い肌、そして宝石のように輝く菫色の瞳。

 歳は二十歳を超えていないくらいだろうか。

 でも肌は透き通るような白というより、どこか青白く病的な白さにも見えるわね。
 もう少し太って健康的になった方がいい、と思わずアドバイスしたくなるほどの細さだ。

 だけどそれ以外は、誰が見ても可愛いらしいと思える女の子がそこには写し出されていた。

「いやいやいやいや、待って。あなた誰?」

 私は姿鏡に手を触れる。ひんやりと冷たい感触が手に伝わってきた。
 もちろんその中に手が吸い込まれることはなく、それはいたって普通の鏡でしかない。

 そうなれば、考えられることは一つ。
 これはちゃんと鏡として、私の姿を写し出しているということだった。

 だけど私は確かにさっきまで黒髪に黒い瞳で、目の下にクマがっつりと付いた、かなり疲れた顔をした人間だったはずよね。
 歳は……思い出したくもないけど、この子よりはかなり上だったはず。

 それなのに、今目の前の鏡に写っているのは全然別人じゃない。
 別人も別人で、世界すら違うレベルよ。どこぞのお姫様よ。

「あははははは。お姫様って、まさかね。そんな、どこかの漫画や小説じゃないんだし……」