夜のBar Afterは、まだ人が少なかった。
カウンターに座ると、
木の匂いと、低く流れる音楽が、ゆっくり肩の力を抜いてくれる。
彼は、こちらを見ると小さく頷いた。
「お疲れさまです」
「……お疲れさまです」
いつものやり取り。
それだけなのに、今日は少しだけ、間が長い。
グラスが置かれる。
「今日は、考えごとが多そうですね」
言い切らない言い方。
「……仕事で」
「そうですか」
それ以上、聞かない。
ひかりは一口飲んで、息をついた。
「今日、打ち合わせがあって」
彼の手は動いたまま。
「披露宴で、バーを使いたいって話が出たんです」
「カクテルを出す、って感じですか」
すぐに要点を掴む。
「はい。軽めに」
「人数は」
「五十名弱」
「時間は」
「披露宴の途中で、二時間くらい」
そこまで言って、ひかりは一度言葉を切った。
仕事の話をしているはずなのに、
なぜか、胸の奥で呼吸を整える必要があった。
「外部スタッフを手配する案も出ていて」
事実だけを並べる。
「でも……」
続きが、少しだけ重い。
グラスを置いて、視線を上げる。
「私は、あなたにお願いしたいと思ってます」
カウンターに座ると、
木の匂いと、低く流れる音楽が、ゆっくり肩の力を抜いてくれる。
彼は、こちらを見ると小さく頷いた。
「お疲れさまです」
「……お疲れさまです」
いつものやり取り。
それだけなのに、今日は少しだけ、間が長い。
グラスが置かれる。
「今日は、考えごとが多そうですね」
言い切らない言い方。
「……仕事で」
「そうですか」
それ以上、聞かない。
ひかりは一口飲んで、息をついた。
「今日、打ち合わせがあって」
彼の手は動いたまま。
「披露宴で、バーを使いたいって話が出たんです」
「カクテルを出す、って感じですか」
すぐに要点を掴む。
「はい。軽めに」
「人数は」
「五十名弱」
「時間は」
「披露宴の途中で、二時間くらい」
そこまで言って、ひかりは一度言葉を切った。
仕事の話をしているはずなのに、
なぜか、胸の奥で呼吸を整える必要があった。
「外部スタッフを手配する案も出ていて」
事実だけを並べる。
「でも……」
続きが、少しだけ重い。
グラスを置いて、視線を上げる。
「私は、あなたにお願いしたいと思ってます」
