祝福のあとで

 それから、Bar Afterに行く回数が、
 少しずつ増えていった。

 月に二度だったのが、
 気づけば、三度、四度。

 それでも、通っている、というほどではない。

 彼との会話は、いつも短い。

 質問は多くない。
 答えを急かされることもない。

 話さなくてもいい時間が、当たり前みたいに用意されている。

 それが、不思議と、楽だった。

 こちらのペースを、乱されることがないからだ。

 心地いいのは、たぶん、仕事のあとだからだ。

 そう思うことにした。



 その週は、Bar Afterに行けなかった。

 仕事が長引いたわけでも、
 体調が悪かったわけでもない。

 ただ、タイミングが合わなかった。

 あのカウンターに、
 いつもの席は、空いているだろうか。

 彼は、何も思っていないかもしれない。

 そう考える方が、
 ひかりは楽だった。

 それでも、
 少しだけ、残った。