「休みも合わせるなんて言ったくせに中々休めなくて本当にごめん」
克くんは昨日悠乃が渡した名刺入れを早速使ってくれていて、1枚の名刺をくれた。
「水曜日はここの住所にいるから昼頃近くまで来てて」
「あっ、ホテルじゃないのね」
「うん」
最初に伯父さんに渡した立木グループの方の名刺だった。
住所は虎ノ門になっていた。
「またLINEはちょくちょく入れるから」
「はーい」
「さて、もう少し楽しむか」
「うん!」
次の日の水曜日、悠乃は虎ノ門に来ていた。
いつも静かな所で働いてるからすごく賑やかに感じる。
みんな満員電車に乗って通勤してるんだよね。
丸の内や新橋もたくさんの会社があるし…
就職活動をしなかった悠乃はサラリーマンの街にはほとんど来たことがない。
克くんはこの場所で働いてるんだぁ。
悠乃のスマホに連絡が入った。
ビルの前にいると送るとすぐに行くと返ってきた。
「悠乃さん!」
「あっ、お疲れ様」
「お待たせ、何が食べたい?」
「普段洋食が多いから和食がいい」
「寿司屋にするか、天ぷらもあるし」
「お寿司?いいの?」
「もちろん、わざわざ来てもらったしな」
少し歩くとお寿司屋さんに入っていった。
「回らないお寿司屋さんだ」
「最近はランチもお手頃価格で営業している寿司屋もあるんだ」
「いただきます…ん、美味しい」
「うん、美味い」
克くんはしばらくはこっちでの仕事があるから『夢乃』にはしばらく寄れない事を話してくれた。
「悠乃が水曜日に来るから大丈夫だよ〜」
「俺、総務課じゃないんだけど兄貴に仕事させられてる」
「ホテルも春休みに入ると忙しいんじゃないの?」
「忙しいけど俺は基本足らない所を補助するから従業員が休みが少なければ基本こっち」



