しばらく夜道を男性と一緒に歩いた後、二人は別れた。
男性は「タクシーで帰ったほうがいい」と勧めてくれたが、塔子は断った。
実際、アパートまでは徒歩で15分ほどの距離だし、住宅地で治安が悪いわけでもない。
このときの塔子は、少し油断していたのかもしれない。
―――もう、5年も前の話なのよね……
心の声は、先ほど助けてくれた男性に向けられたもの。
実は塔子と男性は、同じ大学に通う同級生だった。
田舎から上京してきた塔子が出会ったまるで王子様のような男性が彼、神林雄平だった。
とはいえ、塔子とは何の接点もなく、ただ遠くから見ているだけの憧れの存在にすぎなかった。
「それにしても、こんなところで会うなんて……」
自嘲気味にそうつぶやいて、塔子は肩を落とした。
男性は「タクシーで帰ったほうがいい」と勧めてくれたが、塔子は断った。
実際、アパートまでは徒歩で15分ほどの距離だし、住宅地で治安が悪いわけでもない。
このときの塔子は、少し油断していたのかもしれない。
―――もう、5年も前の話なのよね……
心の声は、先ほど助けてくれた男性に向けられたもの。
実は塔子と男性は、同じ大学に通う同級生だった。
田舎から上京してきた塔子が出会ったまるで王子様のような男性が彼、神林雄平だった。
とはいえ、塔子とは何の接点もなく、ただ遠くから見ているだけの憧れの存在にすぎなかった。
「それにしても、こんなところで会うなんて……」
自嘲気味にそうつぶやいて、塔子は肩を落とした。



