考えなくていいことまで 考えてしまうのは私の悪い癖だ。 だから今は、 この甘さだけを味わえばいい。 そう言い聞かせてもう一口。 うん、おいしい。 それなのに。 甘いはずのケーキが、 さっきより、少しだけ胸に残った。 ――わたし、なんだかおかしい。 胸にできたこの違和感の正体が、なんなのか。 このときの私には、 まだ、わからなかった。