咲教授の数学推理ミステリー



翌日の授業が終わっても、また俺達は駆り出される。



数学科の加藤に課題手伝えと睨まれた。



だがお前は元々、俺をまがい物扱いしたから手伝ってやらない。


そう回れ右をして。




次の舞台は、事件に関わったのではないかと言われてる。



ピリオドの第二拠点「エンド」を訪れる。



訪れると言っても、ほぼ山近く。



そこに、おしゃれな大きな教会がぽつんとあるだけの山。



その下にミニチュアのように並ぶ、こなれた街があるだけで。



「あの日は……確か、ものすごい叫び声が聞こえたんですよね。



男性の声が。



夜中に」



ーー事件の匂いがプンプンするとは。



どんな街なんだここ………。




「確か椎名さんが亡くなられた三日前というのですかね?


教授ーーこれは重要な証言では?」




「たしかに有益な情報だな。


勇斗くん、どう思う?」


「ここの街綺麗だよねー」


最悪な会話だ。



「あの……本当に貴方方は、刑事なのですよね」



「え……あぁ。


ちょっとした、変人刑事として有名なんです。


俺達」



こんな苦しい言い訳をする日が来るとは。



「え……うぉっほん!!


他に、この街で変わったことはありますか?


住人として」



「走り去る足音がその後聞こえて、車のエンジン音がしたんです。


その方向を見るとーーこの「エンド」の方向でした」



ってことは。



「エンドで椎名は殺された可能性が高いということだな」




「え!?


墓場で殺されたんじゃないの?!


刃物が付いていたんでしょ!?」




「傷っていうのは、後からでもつけられるだよ勇斗。


刃物で刺したからと言って、殺害方法が刺殺だとは限らない。


第一、顔に仮面を縫い付けたりさ。


体に穴が空いてボロボロになったりまで、相手を刺し殺すって事は。



一人だけじゃない可能性が高い。



手が込みすぎてるんだよ遺体の細工が。


そうでしょ?


教授」




「君も中々やるじゃないか。


成長したな。


勇斗くん、お兄さんとしてちゃんと彼を頼るんだぞ」



「はぁーい!!」



何だこの会話………。



困惑する住人を後にして。



本部長のもとへ向かう。



「宿題が……」と嘆いていたら「我慢したまえ」と教授に。



絶対に許さないからな。



「遺体に沢山の手形が検出されたよ。



被害者の椎名の体中にね。


人から殴られたあざがあったとは。


僕も想像できなかった。


んで、決定的な死因だがおそらくは窒息死。


首元を閉められて、殺されたんだ。


かなり強い圧力だったらしい。



手形もある」



「それは……一人だけですか?


首元にあったのがというのが」




「まぁ、そういうことになるな」



じゃあ、殺害当初には数々の信者たちに捉えられていた椎名。



周りを信者に体を押さえつけられ、首元を占める役の犯人に殺されたーーーというわけか。




その犯人さえ、分かれば………。



「だけども、おかしいな。



首元を締めた奴が、犯人だと決していい切れるのだろうか?



そんだけの結束力を束ねる中心人物がーー犯人なのではないのか?」




「んー?


それって、どうゆうことなのー?」



「確かに首元を締めた奴が犯人だというのは、法律上あってはいる。


だけども、集団で椎名に襲いかかってるって事実があるだろ?


その集団の中にリーダー的存在のやつがいたってことさ。


そのリーダー的存在のやつが、真犯人で椎名の事を裏で本当に憎んでる。


そうでしょ、教授」




「んー。


難しいな。


やっぱり、よく分かんない!!」




ーーなら聞くな!!