疲れたとぐったりし始めた勇斗に、カフェで休憩しようと。
咲教授がいい出したものだから、仕方なくカフェへ。
古民家カフェで「キャー、イケメン」とはしゃぐ声。
なんだか嫌な予感がして、振り向くと咲教授の周りにおばさまが。
あの人イケメンだからな。
「咲教授人気だね」
「パンケーキも食べるのか………。
どら焼き、ショートケーキも食べたのに」
「美味しいものは、格別なの!!
そんなに怒らなくても良いじゃん!!」
逆に怒らなくても良い要素は、どこにあるんだよ………。
財布が殻になっていくのを横目に、良いなお前はさー。
「それでね、アタシ達困ってるのよー。
あの……ピリ辛っていう団体ですっけ」
「やだー、マリコさん。
ピリオドですよー!!
もう、最近ボケてきてるのでは?
笑わせないでよー!!」
「あらあら、少しぽっちゃりしてきたリンさんに言われるなんてー。
人のこといえるのかしらー?」
うわぁ~、でたよ。
面倒くさい、女のマウント。
その様子を、無表情で交わす咲教授は流石だ。
「それで、何かあったんです?
そのピリオドと?」
「教授さん聞いてくれますー?
アタシ達困ってるんですよ……。
あの宗教団体、ピリオドですっけ?
あの数学教団なんですよね?」
「勿論。
それがどうしたんです?」
「アタシ達、その教団が夜中にいっつも唱えてる公式を覚えちゃって……。
調べたら√4とかの公式だったんですよね。
それで、何でそんなに√4の事を探っているのかなって思ったら。
その公式の日にちを境に増えてたって気がついてーー」
日にち………?
俺は暫く考えてーーーまさか、と思った。
「でも、マリコさん。
確かあの日って、10年目ぐらいだったわよね?」
「ええ、ちょうどそうだったわ。
10が付く日って、なんか不気味じゃない?
5円が御縁で十円が重なる縁ってやつでしょ?
なんか関わり合いありそうじゃない?」
「そうそう、それだわ!!」
咲教授はゆっくりと立ち上がった。
顎に手を当てて「やはりそうだったか」と。
「君達、もう一回あの信者の所へ行くぞ」
「え………えぇ!?」
「わーい、やったー!!
お菓子食べれる!!」
と、追いかけてこようとするおばさまをお凌いて。
「また来たのか。
話すことはもうない」
「君、やはり嘘を言っているね。
√4の真相を知っているんだろ?」
「……何のことだ」
「教えたまえ」
副団長は黙り込む。
「大体、おかしいと思ったんだ。
副団長であり、教団の運命猫√4の存在を知ってたくせに。
その猫の命日を知らないわけ無いと」
「え!?
猫、死んでたの!?」
「√4を椎名が持って副団長も知らない場所へ逃げたということ。
それは行方をくらます。
それは逃亡するってことは何かから逃れようとしたということ。
それは猫に非常にまずい異常があった事になる。
それは何故か。
勇斗よく聞けよ、猫に非常にまずい異常があるとすればだ。
まず、何がもらえない?」
「お金………あ!?」
「そうだよ。
愛しの勇斗くん。
お金が貰えないということは、家族を養えないということだ。
家族を養えなほどの異常事態であるんだとしたら?
それで逃げたんだとしたら。
猫は死亡している可能性が高い」
「だが……死んでいる可能性だと本当にいい切れるのか?
何故、お前らはそう思う。
別の理由があったとは言い切れないのか?」
「逃げ出したという理由で、死んだ以外に考えられない。
その理由1つ目。
あなた達は、本部長からもマークされていたことを。
それを見て、公安から睨まれている。
その貴方の嘘の付き方様子からだと、差別を受けているんだろ?
確かに僕は、頭の良い人間を敵に回したくないからとは言った。
でも敵に回さずとも、頭の良い人間を潰す方法はある。
武器を渡さなければいいんだよ。
その武器を渡さない方法は、差別して元を断つ方法さ。
だから町の人動物病院などの公共施設など相手にしてくれない。
それに街の人達からも、煙たがられて日中行動はできず。
夜に行動しようものなら、お店はしまってる。
その理由2つ目。
君達数学のプロでも動物のプロではないこと。
動物係を決めたのも、くじ引きだと言った。
全員が動物について詳しい訳じゃない。
それは椎名も同じ。
いや、詳しい奴はこの団体に来ないよ。
だって数学というものは、1日にしてならず。
数ヶ月もかかる問題もあるのに。
こんな場所に安安とはいるとは考えにくい。
だから、いないんだよ。
動物について詳しい奴は。
だから、自分達で対処するしかなかった。
だが、それが叶わず死ぬ時期が近づき。
事件が起こった。
そうだろ?」
「そして、ちょうど猫が死亡した日。
教授がいいたいのはその……。
逃げ出した日なのでは?
ということですよね?」
「そうだ。
それを教えてくれ。
貴方はそれを知っている。
何故なら、貴方は言わなかった。
それは貴方は椎名の為に逃げるのを助けたからだろ?
教団の在り方に疑問を持っていた貴方だ。
弱っていく椎名を見捨てられなかった。
そうだろ?
それを、受け入れられずにいた。
貴方は私達が来る前。
勇斗のいう「魔法道具」を沢山持っていた。
それは、まだ宗教団体から抜け出しても、思考が煮えきれてない。
抜けてないから、椎名の死を行け入れられないから。
だから言わなかった。
そうだろ?」
「2015年4月2日に生まれーー2025年4月2日に死んだよ。
√4は………」
それは、事件が始まる4日前!!
「皆んなは前々から、知ってたんだ。
その時期に死ぬんじゃないかって。
死期が√4に近づくんじゃないかって。
でも、アイツは生きてる。
√4の力になんて、負けないんだ……負けないんだ……」
項垂れる副団長。
今度の今度こそ、話が噛み合わないが。
「副団長さん。
貴方を容疑詐欺で逮捕します!!」
後ろを振り返ると、本部長さん。
っていうか、いたのかよ……。
*
本部長さんがやってきて、やっと解放されると思った矢先。
次の日に飛び起きたら、なんと宗教団体の公共施設に行くことに。
堪忍してくれよ………。
「わぁー、魔法道具がいっぱいだね!!」
勇斗が言う「魔法道具」とは「宗教団体のオカルト道具」。
俺は必死になって、馬鹿の頭を叩き勇斗の目を塞ぐ。
今回ばかりは咲教授に殴られなかったが。
そして、本部長もいて。
最初からそうしてほしいと思ったが、口には出さず。
ここは死の墓場と呼ばれている公安公認の場所らしく。
ーー自己責任でお願いします。
と同意書を書かされてしまった。
本当はめっちゃ嫌に決まってる。
だが、迫真の顔で「やらなかったらどうなるのか、分かっているよな?」
と咲教授が言ったもんだから。
分かりましたと頷くしかなくて。
禍々しい洞窟の底に足を踏み入れる。
そこには不気味な扉が。
ゆっくりと扉を開ける。
そしたら……まず飛び込んできたのは√4。
それも真っ赤な√4。
びっしり描かれた√4。
臭ったこともない、死の匂い。
逆になっているのは、十字架。
それがいくつも逆になっていて。
ーーこれは一体………。
「ここは、警察の部下たちによりますと………。
破門した者を呪う、墓場何だそうです。
そして、憎い相手を呪う墓場。
そして、√4を飼育していた場所でもある……とのことです」
ゴクリと喉を鳴らす。
「あの……こんな所で俺達お邪魔していいんですか?」
「昴何を言っているだ。
呪いなど、この世に存在しない。
あるのは人の思いだ。
数学の悪魔は潜んでいるがな」
ーーここより、怖い人がいたから慣れてきちゃった。
*


