咲教授の手が止まる。
銀髪の短髪がベトベトになってしまったのは、たしかに気の毒だ。
この咲教授の年齢はなんと36歳。
この爽やかなイケメンぶりは、同世代の女子生徒に人気だ。
だけども、俺は腹が立っていることが一つある。
それはーー。
「勇斗くんだね?
数式を解いているのがわかっているのかい?」
「ご……ごめんね!!
咲教授!!
ぼ……僕、悪気はなくて……!!」
「君は、ーー素晴らしい。
数式がーー新しいアイデアが降ってきた。
これで一仕事、また進みそうだよ」
「へ!?」と声が出た、本部長。
それも無理もない。
この、境界知能である前髪オカッパ男子美大生早宮 勇斗を溺愛してる。
どんな、仕打ちをされようとも許してしまう変なクセがあるのだ。
余計クールな所も、ムカつく点一つ。
また、愚痴ノートに増えたな……。
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