「ということで、力を貸してほしいんだが………」
警察本部長から、頭を下げられてもなおだ。
この教授は数式が描かれている資料から離れようとしないから。
「咲教授………。
本部長が……そうおっしゃっているんですが……」
「警察の仕事なら、勝手にしたまえ。
僕は言っているだろ?
この大学に蔓延る「ソクラテス団」が関わる事件。
それ以外は興味はないと」
おいおい……人が死んで尚且つ「数学」が絡んでいるのにマジかよ……。
「わ……わかりませぬぞ?
ソクラテス団が、関わっているとも言い切れない。
本部長絡みても、あのローブの件は本当にあったのですから!!」
被害者の死体にかけられていた、不気味な紫色のコート。
あのコートに√4という数字がびっしり刻まれていたんだとか。
俺、光大学数学科であり、25歳、大学生昴 隼人。
大学数学教授、咲先生の錘をさせられてる可哀想な大学生。
そっと、紅茶を運ぶと紅茶が揺れる。
あーあ。
これは、数学を解くために集中し過ぎのサイン。
こうなったら、聞き入れてもらえない。
「君達が管理している数学教団「ピリオド」はだね。
「ソクラテス団」が唯一嫌っていた団体
だ。
悪質極まりない、数学論理を歪ませるとんでもない宗教団体だと。
そう、豪語しておりーー接触する気配もない。
よって、教えることはない。
今すぐ、後ろを向いて帰りたまえ」
無言の圧力をかけたつもりの、警察本部長。
胸をおろしてがっかりとした。
2メートル近くあろう本部長は肩を落とす。
あーあ、可哀想だな。
「ただいまぁ~。
咲教授ー!!」
そんな圧力を感じない、純粋無垢な馬鹿がやってきた。
そいつは、教授のドアを通り抜けてその段差で躓く。
そいつが持っていた、箱が手に滑りポーンと空高く舞う。
本部長、俺、机ーーそうやってまたがってゆき。
べチョリと音を立てた先、教授へダイブ。
ベット、ベトになった教授現る。
あ、生クリームだということはーーー。
ショートケーキ、買ったんだな。
あのバカは。


