代わりに成瀬さんが選んだのが、水色。
水色は私にとって思い出の色だ。
(もしかして、成瀬さんもそう思ってくれている?)
そんな都合のいいことを考えながら、カバンからハンカチを取り出す。
「あれ? ハンカチ? そんなのグッズにあった?」
きちんとアイロンのかかった水色のハンカチを見て、由紀さんが首を傾げる。
「これはグッズじゃないですよ」
ライブグッズではないけれど、成瀬さんの初ライブには必須アイテム。
そう思って持ってきたハンカチを、ステージからも見えやすいよう手首に巻き付ける。
やがて開演時間になり、会場の照明が落ちた。
暗闇の中、ステージだけにスポットライトが当たる。
ファンが一斉に歓声を上げ、由紀さんは立ち上がって飛び跳ねている。私もペンライトを灯し、うちわを掲げた。
ついに始まった、Orion|の初ライブ。
ステージにメンバーが現れると、さらに大きな歓声が上がる。
成瀬さんが声援に応えるように満面の笑みで客席に手を振っている。
その姿を追っていると、ふいに彼の視線がこちらを向いた。私を見て、驚いたように目が見開かれる。
ライブに行くとは伝えていたけれど、まさか最前列にいるとは思わなかったのだろう。
私が歓声を上げながらうちわを振ると、成瀬さんは少し照れたように手を振り返してくれた。
その笑顔は、アイドル・成瀬陽一。
ベランダにいる彼とは少し違うけれど、それでもやっぱり魅力的だった。
キラキラした曲に合わせ、笑顔で歌い踊る彼は紛れもなくアイドルだ。
ダンスは比較的単調で、彼のポテンシャルならもっと踊れるはずなのに、と少し残念に思う。
でも、しなやかで柔らかな動きは綺麗で、目が離せない。動くたびに揺れる黒髪も素敵だ。
私は推しだけを見つめ、夢中でペンライトを振った。
(最前列って、ホントに最高すぎる!)
こんなに近くで、こんなにしっかり推しの視線を感じられるなんて初めてだ。
何度も成瀬さんと目が合う。そのたびに、彼は少し笑ってくれた。
きっと、勘違いなんかじゃない。
推しと目が合うことが、ヲタクにとってどれほどの幸福かわかってる?
きっと、本人はわかっていないんだろうな。
水色は私にとって思い出の色だ。
(もしかして、成瀬さんもそう思ってくれている?)
そんな都合のいいことを考えながら、カバンからハンカチを取り出す。
「あれ? ハンカチ? そんなのグッズにあった?」
きちんとアイロンのかかった水色のハンカチを見て、由紀さんが首を傾げる。
「これはグッズじゃないですよ」
ライブグッズではないけれど、成瀬さんの初ライブには必須アイテム。
そう思って持ってきたハンカチを、ステージからも見えやすいよう手首に巻き付ける。
やがて開演時間になり、会場の照明が落ちた。
暗闇の中、ステージだけにスポットライトが当たる。
ファンが一斉に歓声を上げ、由紀さんは立ち上がって飛び跳ねている。私もペンライトを灯し、うちわを掲げた。
ついに始まった、Orion|の初ライブ。
ステージにメンバーが現れると、さらに大きな歓声が上がる。
成瀬さんが声援に応えるように満面の笑みで客席に手を振っている。
その姿を追っていると、ふいに彼の視線がこちらを向いた。私を見て、驚いたように目が見開かれる。
ライブに行くとは伝えていたけれど、まさか最前列にいるとは思わなかったのだろう。
私が歓声を上げながらうちわを振ると、成瀬さんは少し照れたように手を振り返してくれた。
その笑顔は、アイドル・成瀬陽一。
ベランダにいる彼とは少し違うけれど、それでもやっぱり魅力的だった。
キラキラした曲に合わせ、笑顔で歌い踊る彼は紛れもなくアイドルだ。
ダンスは比較的単調で、彼のポテンシャルならもっと踊れるはずなのに、と少し残念に思う。
でも、しなやかで柔らかな動きは綺麗で、目が離せない。動くたびに揺れる黒髪も素敵だ。
私は推しだけを見つめ、夢中でペンライトを振った。
(最前列って、ホントに最高すぎる!)
こんなに近くで、こんなにしっかり推しの視線を感じられるなんて初めてだ。
何度も成瀬さんと目が合う。そのたびに、彼は少し笑ってくれた。
きっと、勘違いなんかじゃない。
推しと目が合うことが、ヲタクにとってどれほどの幸福かわかってる?
きっと、本人はわかっていないんだろうな。

