思わず呟くと、成瀬さんは照れくさそうに笑った。
その笑顔も好き。
胸がキュンとする。
しばらく見つめ合ったあと、私たちはどちらからともなく笑った。
二人並んで手すりに寄りかかる。
肩が触れそうなほど近いのに、どちらも触れようとはしない。
私たちの間には、仕切り壁一枚分の距離がある。
想いが通じたのに、これ以上進めない。
その切なさはやっぱりある。
好きな人と両想いなのに、手を繋ぐことも抱きしめることもできない。
普通なら、もどかしくて仕方がないだろう。
でも、私はこの距離を大切にしたい。
この一歩を踏み出さないことで、守れるものがある。彼の未来も、ヲタクとしての私の信念も。
だから、今はこれでいい。
「……ねえ、成瀬さん。私、これからも隣人として、ファンとして、それから、好きな人として、あなたを応援してもいいですか?」
成瀬さんは一瞬きょとんとしたあと、ふっと笑った。
「もちろん! むしろ、してほしい」
その笑顔は、心底嬉しそうだった。
「じゃあ、ライブも行って、グッズもたくさん買ってもいい?」
「もちろん」
「布教……は、ホントはあまりしたくないけど」
「布教?」
「成瀬さんの素敵なところを、たくさんの人に広めること」
「したくないんだ?」
可笑しそうに尋ねられ、私は大きく頷く。
だって、ホントは私だけが知っていたい。
そう伝えると、成瀬さんは「そっか」と嬉しそうに笑った。
「でも、私が布教しなくても、他のファンがしてくれますから。絶対に」
「そうかな?」
「そうですよ!」
力強く頷く。
だって、成瀬さんの魅力に気づいている人は、もうたくさんいるもの。
成瀬さんは少し複雑そうな顔をしたけれど、すぐに笑った。
「じゃあ、やっぱりみんなの期待を裏切るようなことはできないね」
思わず笑ってしまう。
真面目で真っ直ぐすぎる。器用なようで不器用な人。
でも、そんなところが彼らしい。
「そうですよ。ファンを蔑ろにするアイドルは、すぐに見放されちゃいますからね」
茶化すように言うと、成瀬さんは真剣な顔で頷いた。
「そうだね。気をつける」
隣に立つ推しの横顔を見つめる。
(やっぱり好きだな)
この人の真っ直ぐさに、私は何度でも惹かれてしまう。
その笑顔も好き。
胸がキュンとする。
しばらく見つめ合ったあと、私たちはどちらからともなく笑った。
二人並んで手すりに寄りかかる。
肩が触れそうなほど近いのに、どちらも触れようとはしない。
私たちの間には、仕切り壁一枚分の距離がある。
想いが通じたのに、これ以上進めない。
その切なさはやっぱりある。
好きな人と両想いなのに、手を繋ぐことも抱きしめることもできない。
普通なら、もどかしくて仕方がないだろう。
でも、私はこの距離を大切にしたい。
この一歩を踏み出さないことで、守れるものがある。彼の未来も、ヲタクとしての私の信念も。
だから、今はこれでいい。
「……ねえ、成瀬さん。私、これからも隣人として、ファンとして、それから、好きな人として、あなたを応援してもいいですか?」
成瀬さんは一瞬きょとんとしたあと、ふっと笑った。
「もちろん! むしろ、してほしい」
その笑顔は、心底嬉しそうだった。
「じゃあ、ライブも行って、グッズもたくさん買ってもいい?」
「もちろん」
「布教……は、ホントはあまりしたくないけど」
「布教?」
「成瀬さんの素敵なところを、たくさんの人に広めること」
「したくないんだ?」
可笑しそうに尋ねられ、私は大きく頷く。
だって、ホントは私だけが知っていたい。
そう伝えると、成瀬さんは「そっか」と嬉しそうに笑った。
「でも、私が布教しなくても、他のファンがしてくれますから。絶対に」
「そうかな?」
「そうですよ!」
力強く頷く。
だって、成瀬さんの魅力に気づいている人は、もうたくさんいるもの。
成瀬さんは少し複雑そうな顔をしたけれど、すぐに笑った。
「じゃあ、やっぱりみんなの期待を裏切るようなことはできないね」
思わず笑ってしまう。
真面目で真っ直ぐすぎる。器用なようで不器用な人。
でも、そんなところが彼らしい。
「そうですよ。ファンを蔑ろにするアイドルは、すぐに見放されちゃいますからね」
茶化すように言うと、成瀬さんは真剣な顔で頷いた。
「そうだね。気をつける」
隣に立つ推しの横顔を見つめる。
(やっぱり好きだな)
この人の真っ直ぐさに、私は何度でも惹かれてしまう。

