ほんの一瞬だったけれど、そこには確かなものがあった。ライバルとしての敬意。仲間としての絆。そして、互いに認め合う者同士の静かな約束。
推し同士が交わすアイコンタクトに、これで良かったのだと、ようやく私は納得した。
それからは怒涛の日々。オーディションの盛り上がりを受け、今が旬とばかりに彼らはメディアに引っ張りだこだった。
どこもかしこも、新生Scorpioと成瀬さんのグループをセットで扱っている。テレビ番組の特集、雑誌の表紙、ネットニュースの見出し。
蓮と成瀬さんが並んで雑誌のインタビューに答える姿を見たときは、胸がぎゅっとなった。
『研究生の頃からの付き合いなので、正直、陽の実力はわかっていました。陽が新メンバーになるなら申し分ない。彼が今回のオーディション参加を決めたとき、俺もそう思いました。でも彼はオーディションで、俺たちの想像以上の姿を見せてくれたんです。ファン票でも一位だったし、パフォーマンスも素晴らしかった。でも、だからこそ……彼はScorpioに入れるべき人材じゃないと思ったんです。未来にかける思いが激る彼だからこそ、俺たちのライバルとして立ってほしい。俺たちと、そして彼のグループを、その熱で頂点へ引き上げてほしいと思ったんです。彼を選んでいたら、たった一人の新人アイドル誕生にしかなりませんでした。でも彼が落選したことで、八人の国民的アイドルが誕生する未来へ繋がったんです』
蓮はそう語っていた。その言葉を読んだとき、私は涙が止まらなかった。
選ばれなかったわけじゃない。未来を託されたからこその落選。誰かを落としたのではなく、誰かを別の場所で輝かせるための選択。
そんな熱いアイドル、影山蓮の思いに、私も胸が熱くなった。
オーディション直後は、蓮に怒りや悔しさを抱いていた。でも今は、彼の選択が間違っていなかったと心から思える。
あのとき蓮が成瀬さんを選ばなかったからこそ、今のこの関係がある。
彼らは冗談を言い合いながらも、言葉の端々に敬意が感じられる。二人の関係がこんな風に世間に認知される日が来るなんて、少し前の私は思いもしなかった。
インタビューが載った雑誌は飛ぶように売れ、ファンの間でも“推しの交差点”として話題になった。
「蓮×陽、最高」
「二人の空気感、尊い」
SNSには、そんな言葉が並んでいた。
推し同士が交わすアイコンタクトに、これで良かったのだと、ようやく私は納得した。
それからは怒涛の日々。オーディションの盛り上がりを受け、今が旬とばかりに彼らはメディアに引っ張りだこだった。
どこもかしこも、新生Scorpioと成瀬さんのグループをセットで扱っている。テレビ番組の特集、雑誌の表紙、ネットニュースの見出し。
蓮と成瀬さんが並んで雑誌のインタビューに答える姿を見たときは、胸がぎゅっとなった。
『研究生の頃からの付き合いなので、正直、陽の実力はわかっていました。陽が新メンバーになるなら申し分ない。彼が今回のオーディション参加を決めたとき、俺もそう思いました。でも彼はオーディションで、俺たちの想像以上の姿を見せてくれたんです。ファン票でも一位だったし、パフォーマンスも素晴らしかった。でも、だからこそ……彼はScorpioに入れるべき人材じゃないと思ったんです。未来にかける思いが激る彼だからこそ、俺たちのライバルとして立ってほしい。俺たちと、そして彼のグループを、その熱で頂点へ引き上げてほしいと思ったんです。彼を選んでいたら、たった一人の新人アイドル誕生にしかなりませんでした。でも彼が落選したことで、八人の国民的アイドルが誕生する未来へ繋がったんです』
蓮はそう語っていた。その言葉を読んだとき、私は涙が止まらなかった。
選ばれなかったわけじゃない。未来を託されたからこその落選。誰かを落としたのではなく、誰かを別の場所で輝かせるための選択。
そんな熱いアイドル、影山蓮の思いに、私も胸が熱くなった。
オーディション直後は、蓮に怒りや悔しさを抱いていた。でも今は、彼の選択が間違っていなかったと心から思える。
あのとき蓮が成瀬さんを選ばなかったからこそ、今のこの関係がある。
彼らは冗談を言い合いながらも、言葉の端々に敬意が感じられる。二人の関係がこんな風に世間に認知される日が来るなんて、少し前の私は思いもしなかった。
インタビューが載った雑誌は飛ぶように売れ、ファンの間でも“推しの交差点”として話題になった。
「蓮×陽、最高」
「二人の空気感、尊い」
SNSには、そんな言葉が並んでいた。

