風が少し強く吹いて、成瀬さんの髪を揺らす。明るめの髪がさらさらとなびく。
私は思わず手を伸ばした。
その髪に触れる。そして、そのまま彼の頭を撫でた。
突然の私の行動に、成瀬さんの顔がみるみる赤くなっていく。
それを見た私は、ようやく自分がしていることを自覚した。慌てて手を引っ込める。
「ご、ごめんなさいっ! なんかつい……」
「いや……うん……」
成瀬さんはもごもごと曖昧な相槌を打ちながら、私から顔を逸らす。だけど、耳まで赤くなっているのが丸わかりだ。
それを見ていたら、なんだか可笑しくなった。
しばらくクスクスと笑っていると、成瀬さんが弱々しく抗議の声を上げた。
「もう。なんか俺のことからかってる?」
「すみません。なんか可愛くって」
そう言ったら、成瀬さんは拗ねたように唇を尖らせた。
そんな仕草すら愛おしいと思ってしまう私は重症だ。
こんなに素敵な人のことを、やっぱり誰にも知られたくない。
だけど、たくさんの人に知ってほしい。
矛盾する思いがまた私の中を駆け巡る。
「それで? 結局Fは成瀬さんなんですよね? 私、確信はしてるんですけど、蓮は答えてくれなくって」
「ああ。うん。そうだよ。あの時、石川さんがFを思いのほか高く評価してくれたから、めっちゃ気恥ずかしかったんだよね」
私の言葉に、成瀬さんは少し照れくさそうに微笑む。
あぁ……やっぱり好きだなぁ。
その笑顔は、私の胸をじんわりと温かくしていく。
「もう。だったら、私がFを応援してたことはわかってたんだから、早く言ってくださいよぉ」
私は頬を膨らませて軽く睨んでみせる。
成瀬さんは困ったように眉を下げた。
「ごめんって。あの時はまだ結果が出てなかったから。落ちてたらカッコ悪いなと思って」
その言葉にハッとして、私は成瀬さんを凝視する。
「ってことは、つまり」
「うん。最終選考に残った」
成瀬さんがあまりにもさらりと答えるものだから、逆にその言葉を受け止めるのに時間がかかってしまった。
『最終選考に残った』
その言葉が私の中でこだまする。
成瀬さんの目を見ているとじわじわと喜びが込み上げてくる。
「やったー! すごい! すごい!」
私は思わず両手を上げて喜んだ。
成瀬さんはそれを見て、目を丸くする。それからぷっと吹き出した。
「石川さんは、気が早いなぁ。喜ぶのはまだ早いよ。最終選考が残っているんだから。でも、石川さんが応援してくれるなら、俺、受かる気がするよ」
私は思わず手を伸ばした。
その髪に触れる。そして、そのまま彼の頭を撫でた。
突然の私の行動に、成瀬さんの顔がみるみる赤くなっていく。
それを見た私は、ようやく自分がしていることを自覚した。慌てて手を引っ込める。
「ご、ごめんなさいっ! なんかつい……」
「いや……うん……」
成瀬さんはもごもごと曖昧な相槌を打ちながら、私から顔を逸らす。だけど、耳まで赤くなっているのが丸わかりだ。
それを見ていたら、なんだか可笑しくなった。
しばらくクスクスと笑っていると、成瀬さんが弱々しく抗議の声を上げた。
「もう。なんか俺のことからかってる?」
「すみません。なんか可愛くって」
そう言ったら、成瀬さんは拗ねたように唇を尖らせた。
そんな仕草すら愛おしいと思ってしまう私は重症だ。
こんなに素敵な人のことを、やっぱり誰にも知られたくない。
だけど、たくさんの人に知ってほしい。
矛盾する思いがまた私の中を駆け巡る。
「それで? 結局Fは成瀬さんなんですよね? 私、確信はしてるんですけど、蓮は答えてくれなくって」
「ああ。うん。そうだよ。あの時、石川さんがFを思いのほか高く評価してくれたから、めっちゃ気恥ずかしかったんだよね」
私の言葉に、成瀬さんは少し照れくさそうに微笑む。
あぁ……やっぱり好きだなぁ。
その笑顔は、私の胸をじんわりと温かくしていく。
「もう。だったら、私がFを応援してたことはわかってたんだから、早く言ってくださいよぉ」
私は頬を膨らませて軽く睨んでみせる。
成瀬さんは困ったように眉を下げた。
「ごめんって。あの時はまだ結果が出てなかったから。落ちてたらカッコ悪いなと思って」
その言葉にハッとして、私は成瀬さんを凝視する。
「ってことは、つまり」
「うん。最終選考に残った」
成瀬さんがあまりにもさらりと答えるものだから、逆にその言葉を受け止めるのに時間がかかってしまった。
『最終選考に残った』
その言葉が私の中でこだまする。
成瀬さんの目を見ているとじわじわと喜びが込み上げてくる。
「やったー! すごい! すごい!」
私は思わず両手を上げて喜んだ。
成瀬さんはそれを見て、目を丸くする。それからぷっと吹き出した。
「石川さんは、気が早いなぁ。喜ぶのはまだ早いよ。最終選考が残っているんだから。でも、石川さんが応援してくれるなら、俺、受かる気がするよ」

