もはや言葉も出ない。スケールが違いすぎる。
「どうした? 嬉しくないのか?」
「……っ」
真顔で問われるが、ソフィアは何と答えたらいいのかわからなかった。
驚きと困惑で一杯で、喜びを感じている余裕なんてなかったのだ。
だがそのとき、ハッと、重要なことに気付く。
「プレゼントが足りませんわ!」
用意したプレゼントは四十個程度。
これだって、昨日のうちに準備するのは苦労したのだ。今から子どもたち全員分のプレゼントを用意するのは無理がある。
(どうしようかしら。プレゼントを渡すのは諦める? 会場にはお花もお菓子もあるし。でも、せっかく用意したのに)
が、そのときだ。
レイモンドの「問題ない。あれを見ろ」という声がして、ソフィアはゆるゆると顔を上げた。
そうしてレイモンドの視線の先を追うと、広場の隅に、大型の荷馬車が続々と入ってくるところだった。
「あれって……まさか!」
「ああ、そのまさかだ。君の用意したプレゼントを無駄にはできないからな。足りない分は俺が発注しておいた」
「……っ」
馬車は全部で二十台は下らない。
到着した馬車から、従業員たちが手際よく箱を積み下ろしていく。赤や黄色や青にラッピングされ、リボンのかかった沢山の贈り物。それが山のように積まれていく様子を見て、ソフィアは息をのんだ。
(まさか、本当にここまでするなんて……)
チャリティーからまだ二日しか経っていない。
つまり、準備期間はせいぜい三十六時間あったかどうか。いくらお金をかけたって、そんな短い時間でここまでのものを用意するのは並大抵のことではない。
それでも、レイモンドはやってみせた。
本当は、もっと夫婦らしい外出をしたかったに違いないのに。



