――昼間のソフィアとのやり取りが、再び蘇る。
ソフィアは孤児院での慰問に加えて、「子供たちにプレゼントを贈りたい」、そしてまた、「孤児院の子供たちに、楽しい芝居を見せてあげたい」と話した。
「贈り物はわたくしが手配いたします。ですから、旦那様はお芝居の手配をしていただけませんか?」
もちろん、レイモンドは快諾した。「それくらいお安い御用だ」と。
するとソフィアはほんの一瞬意外そうに目を瞬いたが、すぐに、「ありがとうございます」と、屈託なく微笑んでくれた。
そのときの笑顔が、今もしっかりと脳裏に刻まれている。胸の奥に、じんわりと熱を残したまま。
(きっとソフィアは、孤児院に小さな芝居一座を呼ぶ程度のことだと思っているのだろうが――)
——見くびってもらっては困る。
レイモンドの頭の中では、もっと壮大な計画が練られていた。
首都全体がざわめくような――大通りを揺らす歓声と、遠くまで響く楽の音が、すでに耳に聞こえるようだ。
(彼女の驚く顔が、今から楽しみだ)
レイモンドは二日後のソフィアの驚く様子を想像し、一層笑みを深くするのだった。



