――これは、罰なのか。それとも、許しか――。
判断もつかないまま、レイモンドは全ての女性と関係を断った。
毎夜のように届く恋文は暖炉へ投げ入れ、贈り物は送り返し、それから二年後――士官学校を卒業する頃には「女嫌い」「堅物」と呼ばれるようになっていた。
レイモンドを男色だと思い込んだ男たちから、襲われかけたこともあった。
それでも、家紋と財力を狙う女は後を絶たない。
彼は、そんな日々に辟易していた。
だが、この国では結婚しなければ一人前と認められない。
子供を作ることができない自分は、いったいどうしたらいいのか。
どうすべきかと迷っていたとき、ソフィアと出会った。
結婚を望まぬ女性。そのときのレイモンドにとって、都合のいい女。
こんな出会いは二度とないかもしれないと思った。もう二度と女性を抱くことができないかもしれない、自分に巡って来た、最初で最後のチャンス――。
――そう、つまり、あの提案はただの、自己中心的な考えのもとに結ばれた契約だったのだ。
(それなのに、俺は……)



