旦那様、そろそろ離縁のご準備を〜契約結婚三年目、満了日を目前にして旦那様の様子がどこか変です〜


 その後、夕食を終え、自室で軽装に着替えたレイモンドは、鏡をじっと睨みつけていた。
 そこには、まるでこれから死地に向かうかのような、鋭い目をした男が映っている。

(最悪だな。俺は、こんな顔で彼女と夕食を交えていたのか)

 そう思うと、今すぐにでも鏡を叩き割ってしまいたい衝動に駆られた。
 けれど、終わってしまったものはどうしようもない。

(そもそも、今までの俺こそが偽りだったんだ。俺は、彼女に愛してもらえるような人間ではなかった)



 ソフィアの部屋へ向かうため、部屋を出たレイモンドは、廊下を歩きながら昼間のエミリオとの会話を思い出す。