それから秋風が枯れ葉を散らす10月。
この月は、わたしにとっては大切なイベントを控えていた。
「ねぇ、賢ちゃん。匠海へのプレゼント、何がいいかなぁ〜?」
わたしは"SEVENS BAL"に立ち寄り、賢ちゃんに相談を持ち掛けていた。
そう、10月は匠海の誕生月なのである。
「えぇ〜?匠海ちゃんへの誕生日プレゼントぉ?椿沙が裸になってリボンつけて『わたしがプレゼントよぉ〜!』とかいうのは?」
賢ちゃんの提案にわたしが白い目で見つめると、賢ちゃんは「あら。ダメだった?」と口を尖らせていた。
「賢ちゃんに相談したわたしが馬鹿だった。」
「それなら最初から、自分で考えなさいよぉ〜!匠海ちゃんの事、一番に分かってるのは椿沙なんだから!」
賢ちゃんにそう言われ、わたしは自分自身で匠海の誕生日祝いを考える事にした。
それからわたしが考えに考え抜いて、計画した匠海の誕生日当日。
この日はいつも通り仕事があり、いつも通り二人で帰宅をした。
「さぁて、今日の夕飯は何にしようか。」
そう言ってキッチンに立とうとする匠海を制止したわたしは、匠海をソファーへと座らせる。
「今日は、全部わたしが用意するから!」
「えっ?」
「だって今日、匠海の誕生日でしょ?」
わたしがそう言うと、当の本人は誕生日である事をすっかり忘れていたらしく、「あっ!今日、俺の誕生日か!」と驚いていた。
そんなちょっと抜けたところがある匠海にはソファーで寛いでいてもらい、誕生日祝いの支度を始めるわたし。
しかし、匠海はわたしが一人で支度をしているのが気になるらしく、キッチンへ覗きに来たりしていた。



