それから休憩時間を終え、お互いの所属事業部に戻ったわたしたち。
わたしが事務所に戻ると、先に事務所に戻って来ていた大知が颯爽と駆け寄って来た。
「どこ行ってたんだよ。」
「別にどこでもいいでしょ〜?」
わたしは平然とした表情を保ちながら、自分のデスクへとつく。
そのあとをついて来た大知は、不満そうにわたしの隣に立った。
「何て言われたんだよ。デート?デートに誘われたとか?」
「別にデートじゃないし。それに、大知には関係ないでしょ?」
「関係あるんだよ!!!俺が椿沙の事好きだって、知ってるだろ?!」
あまり周りに聞かれたくない事を堂々と言ってしまう大知に「ちょ、ちょっと!声が大きい!」と注意するが、大知はそんな事お構い無しだ。
大知は頭を抱え、「あー、ヤバい!雨笠さんに椿沙がぁ!」と勝手に焦り始めた。
そんな大知の姿を見た飯塚さんが「どうしたんだよ、邑瀬〜。」と声を掛ける。
すると大知は「飯塚さん!ヤバいっす!」と言いながら、飯塚さんの方へ駆け寄って行った。
「何だよ、志筑さんにフラレたか?」
「まだフラレてません!」
「"まだ"って何だよ、フラレそうって事か?あははは〜!」
「笑い事じゃないですよぉ〜。」
大知と飯塚さんの会話に苦笑いを浮かべながらも、わたしは自分の業務に戻った。
(残業にならないように頑張らなきゃ。)
そう、今日は早速、雨笠さんと一緒に帰宅をし、そのまま雨笠さん宅にお邪魔する約束をしているのだ。
わたしはキーボードをカタカタと鳴らしながら、次々と打ち込みを終わらせていき、最終確認の為に資料を柳田課長に提出して、何とか仕事納めを完了させたのだった。



