眠れぬ夜を抱きしめて


帰宅してからわたしは、お風呂を沸かし、ゆっくりと身体を温めた後で何気無くソファーに座り、テレビを点けた。
テレビはどのチャンネルをつけてもクリスマス一色だ。

(クリスマス情報を見てもなぁ〜。)

そう思いながら結局テレビを消してしまったわたしは、スマホを手に取り、ミュージックアプリを起動させた。

そして、そこで検索してかけた音楽は、昨夜"SEVENS BAL"で雨笠さんがピアノを弾いていた"WHITE ROSE"だ。

『エバー·ファンタジーIII』のヒロインであるアイリスが最終的に王国の女王となり、いつ帰還するか分からなかった主人公のブランクと再会を果たしたタイミングで流れ始める神曲なのだ。

(この最後に、白い薔薇の花束を持って、ブランクがアイリスにプロポーズするんだよねぇ〜!)

"WHITE ROSE"を聴きながら、中学の頃の記憶を引っ張り出して、ゲームの世界観に独り浸るわたし。

すると、何だか途轍も無く無性に雨笠さんに会いたくなって来てしまった。

ただ昨日、一度だけ一緒にお酒を飲んで、ゲームの話で盛り上がって、それから···――――

昨日の事を考えてみると、不思議な事だらけで、わたしは自分でも何が何だか分からなくなってしまった。

(確かに忘年会でも、その後もお酒は飲んだけど···、そんな酔い潰れるほどは飲んでないはずなのに、何でわたし···雨笠さんの家で寝ちゃったんだろう。)

わたしの中では、それが不思議で堪らなかった。

それに男性の家で眠ってしまうなど、わたしには有り得ない事なのだ。