いつものぶりっ子仕草で雨笠さんに言い寄っているような雰囲気の高山さん。
そんな二人の姿を見て、わたしは何だかモヤモヤしてしまった。
(雨笠さん、高山さんに何て言われてるんだろう。今日はクリスマスだし、もしかしてデートの約束とか···?)
そんな事を独り考えながら豚汁をすすっていると、わたしの視界に見慣れた別の人物が現れた。
「お疲れ〜!なぁに、そんな難しい顔してんだよ。」
そう言って、わたしの向かいに座ったのは日替わりランチを持った大知だった。
わたしは「別に、何も。」と答えると、豚汁の具を掬って口へと運んだ。
「なぁ、椿沙。今日仕事終わった後、時間ない?」
「えぇ〜、何で?」
「飲みに行こうぜ!せっかくのクリスマスだし!」
「何でクリスマスに大知と過ごさなきゃいけないのよ〜。」
わたしがそう言うと、大知は「そんな冷たい事言うなよぉ〜!」と言いながら、大袈裟に仰け反った。
「イブは、船田さんと過ごしたんでしょ?それでいいじゃない。」
「おい···、それは付き合いで行っただけだろ?俺は!椿沙と!過ごしたいの!」
やたらと強調しながら誘って来る大知を面倒に思いながらも、「えぇ〜、どうしようかなぁ〜。」と棒読みに応える。
すると大知は「頼むよ、椿沙〜!俺等、唯一の同期だろ?なっ?」と必死になって頼み込んできた。
「今日はやけにしつこいね。何かあるの?」
わたしがそう訊くと、大知は一瞬息を詰まらせ、少し間を置いてからこう答えたのだ。
「椿沙と雨笠さんが仲良くしてるとこ見たら···、何か悔しかったから······」
大知はそう言って、恥ずかしそうにわたしから視線を逸らし、日替わりランチを食べ始めた。



