そして、気が付けばブーッブーッと耳元で振動するスマホのアラームで目が覚め、寝ぼけ眼でスマホの画面に映る"ストップ"を押してアラームを止める。
(あれっ···わたし、いつの間に······)
昨日の記憶を辿ろうとするが、雨笠さん宅で『エバー·ファンタジーIII』を見て盛り上がっていた事しか思い出せない。
(いつ帰ったっけ······)
そんな事を思いながら、何気無くふと顔を横に向けると、何とそこにはまだ眠る雨笠さんの寝顔があり、わたしは思わず「わっ!!!」と飛び起きてしまった。
(ど、どどどどうして?!?!えっ?!何がどうなってるの?!)
自分が置かれている状況に混乱したわたしは、辺りを見渡し、自分が服を着ているかも確認した。
(ここは、自分の部屋じゃない。という事は、雨笠さん家に泊まっちゃったんだ···。しかも、この着てる服···サイズ大きいし、多分雨笠さんの服だよね?!わたし、何やらかしたんだっっ!!!)
わたしが一人で慌てふためいていると、わたしが飛び起きた勢いから雨笠さんが目を覚ます。
すると、雨笠さんはまだ眠たそうな瞳でゆっくりとこちらを向き、「志筑さん、おはようございます。」と言った。
「お、おはよう、ございます······」
「眠れましたか?」
「えっ、あっ、はい···」
"眠れましたか?"――――
雨笠さんの言葉に、わたしはふとある事に気付く。
(あれ、わたし···眠れてたんだ。)
普段、寝付きも悪く、眠れても朝まで熟睡出来た事がないわたしが、アラームの音で目が覚めた。
よく考えてみれば、わたしの中では信じられない事だった。
「あ、あのぉ、わたし···何かやらかしたりは······」
わたしが不安気にそう訊くと、雨笠さんはハッとした表情で起き上がり「あっ!大丈夫です!何も無いので安心してください!」と言って、必死にわたしの不安を払拭しようとしてくれた。



