────── 12月下旬。
今日も今日とて気温は低く凍えるほど寒い。
オレンジ色に染まった空は夏とは違う切なさを含んだ空気で街を包んでいる。
ゆっくりと暗くなっていく空を見上げながらアウターに身を縮めて寒さを呪った。
12月に入ってからというもの一気に街はクリスマスモードになり、より一層気温が低くなったのを感じた。
「雨音」
歩道橋の下で車が次から次へ走っている道路をボーッと見下ろしていると背後から低い声で名前を呼ばれた。
「何やってんだよ、帰んぞ」
「ねぇ、喉乾いたから何か買ってきてよ」
「はぁ?」
「あー、カフェラテがいい」
「このクソ寒い中俺をパシる気かよ」
「うん」
先に車で待ってるから、とニコリと煽るように笑って見せた。
「自分で行けばいいだろ!?」
「え。やだよ、寒いじゃん」
「はぁ!?殺すぞ、お前!」
「出来んの?私に1回も勝てた事無いのに?」
ぐっ、とそれ以上何も言わない…いや、言えなくなった悔しそうな表情をを見て再度「よろしくね」と言うと背後から舌打ちが聞こえた。
勿論、私は優しいから聞こえない振りをする。


