突然のラブストーリーの中で誰よりも貴方だけを想います


まるで時計の針が壊れたように時間が戻ればいいのに。

夜に消えてく私の希望がいつかあの星のように輝くものになれたらな。

でも仕方ない。

彼に会えたらまず最初に――をする

紙に大きく明日の目標を書いてベットに横たわる。
 
緊張と不安て寝付けなかった

「ねぇ…おはよう」
彼にボソッと挨拶をする。彼はこの間の事など気にしてない様子で元気に挨拶を返してくれた。

「おはよう!今日は元気?」
「うん…元気だよ…話があるから…休み時間に校舎裏来てほしいです…」
「うん!分かった!」
その笑顔には悲しみや憎しみもない白い心が描かれていた。

授業中も集中出来ないでずっと仲直りする事だけを考えていた。

友達でいたい。だから私は彼の手を引かない。ずっと眺めるだけだ。

「話ってなに?」
時間の流れは変わらないはずなのに休み時間になるまで途方もない時間を待った気がする。

「ごめんなさい……突き放す事を言ってしまって。あれは本心じゃなかったの!ただ…私がいなくても君は生きていけるし…」
 
「そんな事ないよ!君が急に冷たくなって嫌われたと思って…怖かったから…話しかけづらかった」

「そうだよね……本当にごめんなさい……ワガママかもしれないけど…もう一度君の友達でいたい。君は大切な人だから!」

私は自分の本心をありのまま彼に伝えた。でもどんな言葉が返ってくるか分からない。私の指先は震えている。

「僕も君が大切だよ!友達としていて欲しい。だって勉強も教えてくれた人だから。」

あの日の姿とまんま一緒にだった。彼は純粋で何よりも人を想っている。彼には敵わないそう思わされる。

「そっか…分かった…これからは少し仲良くできたらいいね…」
 
上手く言葉がでなかった。こんなにスラスラ物事が上手くいくとは思わなかった。幻滅されたと想ってたのに。彼は快く私を受け入れた。

だから私も彼を親友として受け入れた。

でもまだもう一つ問題がある。

家に帰って一ヶ月ぶりにメールを確認する。沢山のメールや通話記録が残されていた。
最初に目に入るのは椛さんからの長文のメッセージであった。

私は思ったよりも大切に思われていた。嬉しいがその分相手を心配させてしまった罪悪感が押し寄せる。

まずどう返信しようかな。

「ごめんなさい…トラブルが起きて…今度の日曜日にもし会えるならそこで話します」

メッセージを送るとすぐに返事が来た
「大丈夫だよ!沢山話してもらうからね」
「問題ない…」
二人からの返事に私は安心する。

そっか私が勝手に深淵を作って誰かを拒絶してたのか。自分勝手にも程があった。一種の防衛本能なのかもしれない。それでも最低な事をしてしまった。自己嫌悪に落ちてしまう。

早く日曜日になって誤解を解きたいはずなのに臆病な私がそれを拒んでいた。

夜が更けていく空気が傷のついた心に染み込んでいく。

日曜日の朝方、私は雨の中一人公園にいる。何も考えずに約束をしてしまって彼女達に申し訳なくなる。

もっと気が利く私でいたら誰にも迷惑かけずに済んだのに。ほろ苦い感情と涙が溢れてくる。
後ろから足音が聞こえて振り向くと彼女達が傘を差しながらこちらに来ていた。

椛さんは傘を落として走って私に抱きついてくる。
「会えた…良かった!ごめんね…一人にさせて」
彼女は息が苦しくなるほど抱きついてくる。
「椛さんは悪くないよ…私が勝手に拒んでいただけ…」

「そんな事ない…私達がもっと配慮する必要があった…ごめんなさい…」
楠さんも頭を下げて謝罪する様子を見てさらに涙が止まらなくなる。

「私が悪い…大切な人たちを突き放して自分で作った棘に痛くなって最後には泣きつくことしか出来ない…」

「私たち何かしたかな…」
椛さんは不安そうに私を見つめる。近くで見ると彼女の瞳は優しくとも彼の影がちらついていた。

「違う…椛さん達は悪くないの、私の問題だから…」
そう言うと彼女達はそっと私を包み込んで私の棘に刺さる。

「無理しなくていいよ。私達が寄り添うから…今は弱くてもいいよ…強い人はいるよ…でもそれは何かを犠牲にして成り立っているんだよ。それに吹雪さんの棘は誰かに刺したものじゃないでしょ」

「貴方は悪くない…」
私はただ泣くことしか出来なかった。でも言いたいことがあった

「ありがとう!」
心の底からの込めた棘のない小鳥の羽のようにフワフワした言葉だった。

前よりも彼女達に近づけた。私の棘は彼女達に刺さる前に温かさに溶けてなくなってしまう。

笑い合って彩る世界に一つの光が私を照らす。

そして高校2年生になった、問題なく過ごしていた夏休み。突然のメールが来る。

「転校する事になった」
椛さんからのメールに私は目を疑う。
「3人で会って話したい」
楠さんのメールを見て私は怖かった。元々私は椛さんと違う学校だったから悲しみはないけど楠さんはきっと悲しんでる。どう励ましたらいいのか分からない。

場違いな気持ちを持って彼女達に会いに行ってもいいのだろうか。

「分かった。明日会おうね…」
この日は晴れの日になるらしい