待ち伏せされた悪役令嬢、幼馴染み騎士団長と初恋をやり直す。

 黒い短髪に青い目キリッとした精悍な顔立ち、整ってはいるけれど生真面目な性格が出ていて、凜とした佇まいが魅力的な人だ。

 実はオルランドも、乙女ゲームの中のヒーローの一人。生真面目で素敵な騎士団長。今回、マリアはメインヒーローである第三王子レスターを選んだから、彼のヒロインマリアへの好感度は高くないのだろう。

 だって、もし彼がマリアのことが好きなのなら、彼女に嫌がらせばかりした私のことが嫌いで憎らしいはずだけれど、無表情で平静なままで私を見つめている。

 ……いえ。オルランドとはもう何年も話していないので、何を考えているかわからないわ……それに、彼は乙女ゲーム内でも無表情がデフォルトで、感情が出にくい人だった。

「クラウディア様。あの場所へは、行ってはいけません」

「……え?」

 私はオルランドは何を言っているのだろうと思った。だって、夜会会場である大広間はすぐそこだ。

 私の正装姿を見れば行き先はわかるだろうし、開始時間は迫っているし、大方の貴族たちは入場済みだ。

「……あの場所へ行けば、クラウディア様の名誉が……酷く汚されることになります」