のそのそと歩いてきたのは、スーツでも白衣でもない、ラフな格好の男。
――北条椿。
あれからさらに背が伸びたのか、肩幅も広くなり、雰囲気が大人の男になっている。
ただ、目つきと無愛想さだけは高校時代そのままだ。
椿は陸の手の中を覗き込み、
「……クローバーか」
と短く言った後、ふっと笑った。
「すげぇじゃん。陸」
そう言って、陸の頭をわしゃわしゃと撫で回す。
「わっ!やめてよパパ!」
陸はくすぐったそうに笑って、
「髪ぐちゃぐちゃになるー!」
椿は悪い顔をして、
「男はぐちゃぐちゃでちょうどいい」
「なにそれぇ~!」
陸の笑い声が、公園の空気を柔らかく揺らした。
椿はそのまま、陸の笑顔を見つめる。
そして、ぽつり。
「……ほんと、笑った顔は美羽にそっくりだな」
美羽は「ふふ」と肩をすくめた。
「そうかな?目元は椿くんにそっくりじゃない?」
「……」
椿は小さく目を細め、視線を逸らした。
「うるせぇ」
美羽はその横顔を見て、心の中で言う。
(もう。結局、照れ屋は治ってないんだから)
すると、陸がぷくっと頬を膨らませた。
「ああ~!!」
「なに?」
「パパとママ、またイチャイチャしてるぅ~!!」
椿が眉を上げる。
「してねぇ」
陸は負けない。
「してるもん!!」
そして両腕を大きく広げ、
「ぼくも混ぜて~!!」
と、ふたりの間にぎゅいっと割り込んできた。
美羽は笑って陸を抱きしめる。
「かわいい~、陸」
陸は満足そうにえへへと笑い、椿をじっと見上げる。
「パパも!」
椿は面倒くさそうにため息をついて、
「……ほらよ」
と片腕で陸を抱えた。
陸は勝ち誇った顔。
「ふふん!」
美羽はその様子を見て、くすくす笑う。
「ほら、妬きもち妬きなところ、椿くんにそっくり」
椿が即座に返す。
「お前に似たんだよ」
「えー?!」
「えーじゃねぇ」
陸が首をかしげて言う。
「どっちでもいいよ!ぼく、パパとママ大好きだから!」
その言葉に、美羽と椿の動きが一瞬止まる。
――北条椿。
あれからさらに背が伸びたのか、肩幅も広くなり、雰囲気が大人の男になっている。
ただ、目つきと無愛想さだけは高校時代そのままだ。
椿は陸の手の中を覗き込み、
「……クローバーか」
と短く言った後、ふっと笑った。
「すげぇじゃん。陸」
そう言って、陸の頭をわしゃわしゃと撫で回す。
「わっ!やめてよパパ!」
陸はくすぐったそうに笑って、
「髪ぐちゃぐちゃになるー!」
椿は悪い顔をして、
「男はぐちゃぐちゃでちょうどいい」
「なにそれぇ~!」
陸の笑い声が、公園の空気を柔らかく揺らした。
椿はそのまま、陸の笑顔を見つめる。
そして、ぽつり。
「……ほんと、笑った顔は美羽にそっくりだな」
美羽は「ふふ」と肩をすくめた。
「そうかな?目元は椿くんにそっくりじゃない?」
「……」
椿は小さく目を細め、視線を逸らした。
「うるせぇ」
美羽はその横顔を見て、心の中で言う。
(もう。結局、照れ屋は治ってないんだから)
すると、陸がぷくっと頬を膨らませた。
「ああ~!!」
「なに?」
「パパとママ、またイチャイチャしてるぅ~!!」
椿が眉を上げる。
「してねぇ」
陸は負けない。
「してるもん!!」
そして両腕を大きく広げ、
「ぼくも混ぜて~!!」
と、ふたりの間にぎゅいっと割り込んできた。
美羽は笑って陸を抱きしめる。
「かわいい~、陸」
陸は満足そうにえへへと笑い、椿をじっと見上げる。
「パパも!」
椿は面倒くさそうにため息をついて、
「……ほらよ」
と片腕で陸を抱えた。
陸は勝ち誇った顔。
「ふふん!」
美羽はその様子を見て、くすくす笑う。
「ほら、妬きもち妬きなところ、椿くんにそっくり」
椿が即座に返す。
「お前に似たんだよ」
「えー?!」
「えーじゃねぇ」
陸が首をかしげて言う。
「どっちでもいいよ!ぼく、パパとママ大好きだから!」
その言葉に、美羽と椿の動きが一瞬止まる。



