運命の出会いって君は言うかな

村「…なんか、最近の勇輝さんめっちゃ気合い入ってません?」

重「そりゃそうだろ…開幕スタメンに選ばれたんだから」

村「えっ!」

重「あんま口外するなよ、一応まだシーズン前なんだから」

村「もうあと1週間ですね」

重「そうだな」


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監「最近、打率いいな。ミートが上手くなってきてる。」

佐「ありがとうございます!」

監「佐藤が真面目なのはよく分かってるよ。」

佐「え、はい…?」

監「…俺は、次の開幕でお前をスタメン起用しようと思ってる。」

佐「え…」

監「たしかに打たれ弱いところがあるが、冷静さはチームの中でもピカイチだ。」

佐「…」

監「6番レフトだ。これは決まっている。頼んだぞ」

佐「…はいっ!」
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監督の期待に、どうやっても応えないといけない。
ここでしくじるわけにはいかない。
僕の心はとにかく開幕のことでいっぱいだった。
ユズさんのこともすっかり忘れて、目の前のバッティング練習に全力を注いだ。
もう開幕まで残りわずかな時間しかない。
やっと手に入りそうな一軍定着へのチケット。
ここでみすみす逃すわけにはいかないとさらに力が入った。


重「勇輝、ちょっといいか?」

佐「はい?どうしました?」

重「明後日から開幕だろ、だから最後にFlower行きてぇんだわ。付き合ってくれるか?」

佐「最後って…?」

重「シーズン中は俺行かないようにしてんの。酒も飲まないようにしてるし。だから、シーズン前最後の飲み納めなんだよ。お前に付き合ってほしいんだ、いいか?」

佐「…分かりました。Flower1軒だけですよね?」

重「当たり前だろ!Flowerでもいつもみたいには飲まねぇよ。今回はしっぽりゆっくりいきたいんだ。だから今回は村ちゃんは誘ってない。村ちゃんもそれどころじゃなさそうだしな」

佐「そうですね、そういうことなら、是非お供しますよ」

こうして、ユズさんに何の連絡もしないまま急遽お店へ行くことになった。