運命の出会いって君は言うかな

村「ちょ、聞きました?シゲさん!コイツまたアレ(・・)でフラれたらしいですよ!(笑)」

重「おー聞いた聞いた(笑)まぁすぐ次があるって!(笑)」

佐「はぁ…もういいですよ、めちゃくちゃイジるじゃないですか…(笑)」

佐藤勇輝26歳。
大卒から野球選手になって、はや4年が経とうとしている。
僕が所属している球団はプロ野球球団ではあるものの、僕は一軍と二軍を行ったり来たりしている。
まだ不安定な立場だ。
昨シリーズは一軍で活躍できたものの、この間の練習中のアクシデントで怪我してしまい、今シリーズは二軍から調整していくことになる。

で、これだ。
今まで付き合った人は一応人並みにはいるが…いつも大体同じ理由でフラれる。

村重「「一緒にいて面白くない」」

佐「…」

村「いやぁ失礼な話っすよねぇ〜(笑)」

こうして笑いながら話すのは24歳の村田宏哉(むらたひろや)
年下ながら、一軍に定着しつつある実力派の選手だ。

重「俺からしたらこんなにイジリがいある面白いやついないけどな〜(笑)」

この人は34歳でベテラン投手の重盛拓夫(しげもりたくお)さん。

2人とも仲良くしてもらっているチームメイトだ。

村「そうそう!次がありますって!(笑)」

重「今は怪我もしてんだし、ゆっくりまた探していけばいいじゃん」

佐「いや、今はそういう気分じゃ…」

村「あっ!じゃあ今日飲みに行きません?!久々に3人で!」

重「今日は嫁さんも休みだし、行くか!!」

佐「えっ!」

村「勇輝さんの話またいっぱい聞きましょー!!(笑)」

佐「毎回同じになるじゃん…」

重「じゃあ今日は勇輝の慰め会と新しい出会いを見つけるか!(笑)」

佐「いや、だから今そういう気分じゃ…」

村「やった!行きましょ!」



村「だから、勇輝さんは真面目すぎるんすよ!堅いってか、余裕ないってか、真面目!」

重「まあその堅実さが勇輝の良さでもあるんけどね〜(笑)」

佐「またこの内容…何回目ですか…(笑)」

話題はもっぱら僕がフラれた理由のこと。
2人はお酒が入ると同じことしか言わない。
もうこの流れも慣れたものだ。
僕はあまりお酒も強くないからはじめだけビールでその後はソフトドリンクばかりだ。
だから飲みにはあまり誘われない。
のに、なぜかこの2人だけは飲まなくてもいいから来いと言ってくれる。

村「でも勇輝さんの付き合う人ってあんま統一性ないですよね」

重「たしかに。言われてみればそうだよな。
  そういえば、勇輝の好きなタイプとか理想とか聞いたことないな、どんな子なの?」

佐「え、いや…別に、普通ですよ、普通の子で…」

重「普通ってなんだよ!(笑)外見からでもいいんだよ!髪はこのくらいとか、雰囲気はこんな感じとか!
  普通でいいは逆に女性に失礼だからな!村ちゃん見習えよ!今のうちに使えるもん全部使って遊んでるじゃん」

村「シゲさんひでぇな!俺はいつでも真剣ですよ!同時進行なだけで(笑)」

佐「最低すぎるだろ…」

重「あーじゃあ俺のお気に入りの店行こう!2人はたしか初めてだったはずだろ」

村「えーなになに、行きたーーい!」

佐「帰りましょうって」

重「今日は勇輝のための飲みだからな、逃がさんぞ」

村「行きましょー!」

両脇を現役プロ野球選手に掴まれたら太刀打ちできないよ…

引きずられるまま、僕はシゲさんお気に入りの店とやらに行くことになった。