時を縫う英雄譚


夜。
屋上。
透は一人、風に当たっていた。

昼間倒れたのは、たぶん、ECHO計画の後遺症。

灯の記憶は消えない。
でも、その隣に――芽吹がいる。


「……ありがとう」


誰にも届かない声で、呟く。
その夜、遠くで針の音が鳴った。
それは、終わりではなく――始まりの音だった。