跳べない君と、はねない私

翼くんの表情が、リンクで滑っているときの表情と重なった。

こんな力強い目線が自分に向けられることを、想像してなかった。

「ごめん…」

やっと出た声は、ほぼ空気だった。

目頭が熱くなって、瞬きをするとこぼれてしまいそうだった。



翼くんはわかりやすく苛立ちをにじませる。

そういうことが聞きたいんじゃない。って思われてるに違いない。

だけど、もう喋れそうになかった。

今、この状況が怖い。

あっけなく、推しに嫌われたのが辛い。

もう、翼くんのこの表情がリンクでは見られないことが悲しい。

今、口を開けば、泣いてしまう。