「あの、ごめんなさい! 私は泥棒じゃなくて……その」
説明が出来ずモゴモゴと言い淀む私にその子は白い手を差し出して、先ほどよりも少し優しい声で話しかけてくれた。
「……おいで、君を出口まで案内してあげるから」
「あ、ありがとう! あなたはこの屋敷の、噂の魔女の子?」
優しく微笑んでくれたりするわけではなかったが、きっと悪い子ではないと感じて素直にその手に自分の手を重ねた。私のより少し冷たい手のひら、何となく不思議な気持ちになって。
だから聞いてみたのだ、噂になっているこの屋敷の不思議な話について。
「……さあ、そうなんじゃない? そんな噂があるのならば」
その子は否定も肯定もしなかった、ただ少し寂しそうな顔をしただけで。それ以上は深く聞いてはいけない気がして、私も黙って彼女の後をついていった。
するとしばらくして、遠くから誰かを探す声が聞こえてきて。
「ユキ、ユキ……! ユキ、どこにいるの!?」
ユキ、とはこの子の事だろうか? そう思って彼女を見れば少し気まずそうな顔、探されてるのはやはりこの子のようで。やれやれといった表情をした後で握っていた私の手を放し、指をさして行き先を教えてくれた。
「……ああ、もう気付かれちゃったかな? ほら、そこを右に曲がってまっすぐに進めば外に出れるから。じゃあね」
それだけ教えてくれた後、その子はあっという間に草木で覆われた中へと消えて行った。もしかしてあの子は魔女の子ではなく、優しい妖精か何かじゃないかと思ったくらいで。
「あ……行っちゃった。ユキちゃん、また会えるかな?」
ユキちゃんのお陰で無事にその場所から出ることは出来たが、その後で母に酷く叱られたのだった。
※※※※※※※※
説明が出来ずモゴモゴと言い淀む私にその子は白い手を差し出して、先ほどよりも少し優しい声で話しかけてくれた。
「……おいで、君を出口まで案内してあげるから」
「あ、ありがとう! あなたはこの屋敷の、噂の魔女の子?」
優しく微笑んでくれたりするわけではなかったが、きっと悪い子ではないと感じて素直にその手に自分の手を重ねた。私のより少し冷たい手のひら、何となく不思議な気持ちになって。
だから聞いてみたのだ、噂になっているこの屋敷の不思議な話について。
「……さあ、そうなんじゃない? そんな噂があるのならば」
その子は否定も肯定もしなかった、ただ少し寂しそうな顔をしただけで。それ以上は深く聞いてはいけない気がして、私も黙って彼女の後をついていった。
するとしばらくして、遠くから誰かを探す声が聞こえてきて。
「ユキ、ユキ……! ユキ、どこにいるの!?」
ユキ、とはこの子の事だろうか? そう思って彼女を見れば少し気まずそうな顔、探されてるのはやはりこの子のようで。やれやれといった表情をした後で握っていた私の手を放し、指をさして行き先を教えてくれた。
「……ああ、もう気付かれちゃったかな? ほら、そこを右に曲がってまっすぐに進めば外に出れるから。じゃあね」
それだけ教えてくれた後、その子はあっという間に草木で覆われた中へと消えて行った。もしかしてあの子は魔女の子ではなく、優しい妖精か何かじゃないかと思ったくらいで。
「あ……行っちゃった。ユキちゃん、また会えるかな?」
ユキちゃんのお陰で無事にその場所から出ることは出来たが、その後で母に酷く叱られたのだった。
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