心に頼って

「中山さん。」

「あ、白崎くん。」
  
今日はあるドラマのオーディション。

「では、次に白崎さんお願いします。」

オーディション開始。

このオーディションでは、「夢、太陽。」という作品の拓海を演じる方を決める。

「その本、お好きなんですか?」

ある一つのシーンを演じる。

「では最後に一つお聞きします。あなたの感じる     
 拓海との共通点は何ですか?」

「ないです。」

「では、あなたがもし拓海を演じることになったら、どうしますか?何もわからないまま、演じますか?」

「僕は…。考え続けます。まだ分からないだけなん     です。分からないだけで、なにか絶対あるはずなんです。だから、考え続けます。」

「わかりました。では次の方。」

ーー「はぁ。」

終わった。

僕には受かった気がしない。

「まあまあ、大丈夫。」

中山さんはそう言ってくれるけど、ダメダメだ。

ーー着信音

なんだ?

「もしもし。中山さんどうしました?」

「白崎くん。頑張ったね。オーディション。」

「あー。やっぱりだめでしたよね。」

「おめでとう!受かったよ。オーディション。」

「え、ほ、ほんとですか?」