SPY GIRLS

「……だからここは、この公式を使えば」

「なるほど、分かった。分かったけど……うー、もう疲れたよースイせぇーんぱい」

時計を見ると、もう19時。

2時間くらい勉強を教えていた。

おやつ休憩を30分とったけど。

「はあ……。何したいの?」

「ごはんっ。ごはんたべたぁーい♡」

「分かった、じゃあ手伝ってね」

昨日の冷凍した米を取り出し、電子レンジで加熱する間に主菜を作る。

今日は野菜の卵とじの予定。

なんだけど……。

ユイハが冷蔵庫の前で固まっている。

「う、ユイハ……まさか……っ」

「あ、えへっ。卵、落としちゃった……っ」

へにゃっと笑うユイハと、冷蔵庫の中の割れた卵を見比べ、ため息が出る。

「はぁ……おっちょこちょいも過ぎて困るなぁ……」

(私は今回の弟子の育て方、合ってるのかな……)

生まれたときからスパイだったから、今まで3人くらい育成してきたけど、ユイハみたいなおっちょこちょいな子はいなかった。

おっちょこちょいスパイの育成、模索中なんだ。

冷蔵庫の中を綺麗にして、野菜炒めを作る。