自覚なし霊感少女

「こんにちはー!見学かな?」

私は長谷川 雪。高校3年生。

今日は入学式から数日経ち、今日から1年生の部活動見学が始まった。

「あ…あの、ここはなんの部活なんですか…?」

早速1年生2人組が来て私に質問してきた。

「ここは合唱部、私は部長の長谷川雪だよ。隣にいるのは副部長のあみ。全国大会を目指して部員みんなで夜遅くまで練習してるの。どう?興味ある?」

1年生2人は顔を見合せ、曖昧に笑う。

「あの、私たち、あんまり歌はうまくないから、ごめんなさい」

そう言って2人組はぺこりと頭を下げて音楽室を出ていく。

あみが残念そうに肩を落とす。

「あーあ、まあ次があるよね!」

私は隣にいるあみに話しかけた。あみはニコッと笑って頷いてくれた。

「さあ勧誘がんばるぞー!おー!」

部員みんなでやる気を入れ直し、改めて1年生の勧誘にうつった。

















「ねえ、色々見たけどさ結局部活どこ入る?」

放課後、合唱部に見学に行った1年生2人組が下校しながら話していた。

「まだ決まってないかな。あ…でも、絶対入りたくない部活はあるよ。合唱部」

その言葉に対して、もう1人は深く頷いた。

「わかる。私も合唱部だけはやだ。てかさ怖くない?」

「だよね。だってさ、あの人″1人しかいない″のに部員みんなでとか意味わかんないよね。まるで観えないナニカが見えているみたいで、ほんとに怖い」

「隣は副部長のあみとか言ってたよね。隣に人なんかいないのにね。私、ゾッとしちゃった」

4月20日、冬が去り暖かくなってきた頃、季節外れの雪が降った。