優花の体調が良くなったという話を聞けた5月上旬のこと。
会いに行こうと思ったけれど理由も伝えられず一時退院をして家に帰ると星川先生から告げられて少し胸がざわついた。
優花に何かあった……?ただ体調が良くなったから家族に会いに帰るだけ……?でも優花、家族とあまりいい感じではないって言ってたよな……。
結局自分の中では答えを出すことが出来ずモヤモヤしたまま1人、病室へと続く廊下をゆっくり歩く。
もう何日会えてないんだろ……。
そんな事を考えながらぼーっと歩いているとどんっと誰かにぶつかってしまった。
「あ……、すみませ……って日和ちゃん!?」
「あ!樹くん!!やっとに会えたぁ〜!!」
そう言って日和ちゃんは僕の方を見てあの明るい笑顔で微笑んだ。
日和ちゃんこそ、心臓移植の手術が終わってから約3ヶ月間、会えていなかったことに気づいてびっくりしているとそれに日和ちゃんも気づいて大声で笑いだした。
「あははっ!そうだよね。心臓移植終わってから会ってなかったもんね。先生から聞いたよ。ほんっとにありがとう!ずっと待っててくれたんでしょ?」
「あ、はいっ。日和ちゃんの事心配だったからみんなで待ってたんだ。無事に終わって良かった……。」
その後も優花の事で気が気じゃなかったけど……。
きっとそのことは日和ちゃん、知らないだろうし言ったら心配させるだろうから言葉を飲み込む。
「あ、そういえば今日は優花ちゃんと一緒じゃないんだね!紘くんもいないみたいだし……。」
「あ……はい。ちょっと理由は分からないんですけど優花は一時帰宅するみたいで今日は一緒じゃないんです。紘はたまたまいないだけで。」
「そーなんだ……、でも優花ちゃんって家族と仲良いって言ってたっけ……。心配……。」
……だよね。日和ちゃんにもそのこと言ってるはずだよね。
「ですよね…。僕も心配です。」
そう日和ちゃんに返した時、廊下をバタバタと走る大きな足音が聞こえて来て振り返ると僕の服を掴んで息を切らしている紘の姿があった。
「あ、噂をすれば紘じゃん。どーしたの?」
「ちょっと来て!!日和ちゃん!こいつ借ります!」
「もちろん!!行ってきなー!!」
「は!?ちょ、ちょっと紘!!どこ行くの!!」
僕の手を引いて勢いよく走り出した紘にびっくりしながらも後を着いていくと病院正面の入口から外に飛び出して急ブレーキをかけた。
「何!?何があったの!?」
「まあいいからっ。……あ、来たかも…。」
紘がそう言って指さした方を見ると1台の軽自動車が敷地の入口から入ってきた。
「あの車がどうしたの?」
「……。」
紘にそう聞くけれど答えてはくれない。
「ねぇ、紘。」
もう一度紘に聞こうとした時、あの入ってきた車のドアが勢いよく開いて1人の女の子がこちらに走ってきた。
「優花……!?なんでここに……。え、紘どういう状況なの。」
車から降りて僕に抱きついてきた優花に動揺しながらも静かに泣いている優花の背中を撫でる。
「後から説明する。……優花、おかえり。」
紘は僕の方を見て静かに一言発すると優花に視線を戻して頭を撫でた。
その後、星川先生が駆けつけてくれたけど、優花のおばあちゃんに挨拶をすると急患がいたらしく看護師さんに引き継いで戻ってしまった。
「優花。1回落ち着こうっ。大丈夫?」
僕の肩に顔を埋めて泣いている優花にそう聞くけれど返事はこない。
普段からあまり泣かない優花がこれだけ泣いてるんだ。よほど辛いことがあったに違いないよ……。
「……泣きたい時もあるよね。大丈夫だよ。僕達ちゃんとここにいるから。」
結局、何があったのかはこの日、優花の口からは聞くことが出来なかった。
その後、優花は泣き止まないまま看護師さんに連れられて面談室へ。
「なぁ。結局何があったの?優花が泣いて戻ってくるなんてよっぽどのことでしょ?」
「……僕もちゃんとは分からない。けど、今日は一時帰宅の1日目だったらしくて、家で両親と何かあったって事だけ星川先生から聞いたよ。」
やっぱりか……。
きっと家族とのトラブルがない限り病院に1日目で戻ってくることはないだろう。
元々ご両親との仲はあまり良くないってことは聞いていたしさっきも日和ちゃんとその事を話したばかりだ。
「そりゃ泣くよね……。」
「そんなに仲の良くない家族の所に帰るだけでもすごく辛いと思う……。優花は頑張ったよね。」
「うん……。」
何があったのか、僕たちにはこの時分からなかったけれどただただ、優花の力になれない無力な自分が嫌になった。
会いに行こうと思ったけれど理由も伝えられず一時退院をして家に帰ると星川先生から告げられて少し胸がざわついた。
優花に何かあった……?ただ体調が良くなったから家族に会いに帰るだけ……?でも優花、家族とあまりいい感じではないって言ってたよな……。
結局自分の中では答えを出すことが出来ずモヤモヤしたまま1人、病室へと続く廊下をゆっくり歩く。
もう何日会えてないんだろ……。
そんな事を考えながらぼーっと歩いているとどんっと誰かにぶつかってしまった。
「あ……、すみませ……って日和ちゃん!?」
「あ!樹くん!!やっとに会えたぁ〜!!」
そう言って日和ちゃんは僕の方を見てあの明るい笑顔で微笑んだ。
日和ちゃんこそ、心臓移植の手術が終わってから約3ヶ月間、会えていなかったことに気づいてびっくりしているとそれに日和ちゃんも気づいて大声で笑いだした。
「あははっ!そうだよね。心臓移植終わってから会ってなかったもんね。先生から聞いたよ。ほんっとにありがとう!ずっと待っててくれたんでしょ?」
「あ、はいっ。日和ちゃんの事心配だったからみんなで待ってたんだ。無事に終わって良かった……。」
その後も優花の事で気が気じゃなかったけど……。
きっとそのことは日和ちゃん、知らないだろうし言ったら心配させるだろうから言葉を飲み込む。
「あ、そういえば今日は優花ちゃんと一緒じゃないんだね!紘くんもいないみたいだし……。」
「あ……はい。ちょっと理由は分からないんですけど優花は一時帰宅するみたいで今日は一緒じゃないんです。紘はたまたまいないだけで。」
「そーなんだ……、でも優花ちゃんって家族と仲良いって言ってたっけ……。心配……。」
……だよね。日和ちゃんにもそのこと言ってるはずだよね。
「ですよね…。僕も心配です。」
そう日和ちゃんに返した時、廊下をバタバタと走る大きな足音が聞こえて来て振り返ると僕の服を掴んで息を切らしている紘の姿があった。
「あ、噂をすれば紘じゃん。どーしたの?」
「ちょっと来て!!日和ちゃん!こいつ借ります!」
「もちろん!!行ってきなー!!」
「は!?ちょ、ちょっと紘!!どこ行くの!!」
僕の手を引いて勢いよく走り出した紘にびっくりしながらも後を着いていくと病院正面の入口から外に飛び出して急ブレーキをかけた。
「何!?何があったの!?」
「まあいいからっ。……あ、来たかも…。」
紘がそう言って指さした方を見ると1台の軽自動車が敷地の入口から入ってきた。
「あの車がどうしたの?」
「……。」
紘にそう聞くけれど答えてはくれない。
「ねぇ、紘。」
もう一度紘に聞こうとした時、あの入ってきた車のドアが勢いよく開いて1人の女の子がこちらに走ってきた。
「優花……!?なんでここに……。え、紘どういう状況なの。」
車から降りて僕に抱きついてきた優花に動揺しながらも静かに泣いている優花の背中を撫でる。
「後から説明する。……優花、おかえり。」
紘は僕の方を見て静かに一言発すると優花に視線を戻して頭を撫でた。
その後、星川先生が駆けつけてくれたけど、優花のおばあちゃんに挨拶をすると急患がいたらしく看護師さんに引き継いで戻ってしまった。
「優花。1回落ち着こうっ。大丈夫?」
僕の肩に顔を埋めて泣いている優花にそう聞くけれど返事はこない。
普段からあまり泣かない優花がこれだけ泣いてるんだ。よほど辛いことがあったに違いないよ……。
「……泣きたい時もあるよね。大丈夫だよ。僕達ちゃんとここにいるから。」
結局、何があったのかはこの日、優花の口からは聞くことが出来なかった。
その後、優花は泣き止まないまま看護師さんに連れられて面談室へ。
「なぁ。結局何があったの?優花が泣いて戻ってくるなんてよっぽどのことでしょ?」
「……僕もちゃんとは分からない。けど、今日は一時帰宅の1日目だったらしくて、家で両親と何かあったって事だけ星川先生から聞いたよ。」
やっぱりか……。
きっと家族とのトラブルがない限り病院に1日目で戻ってくることはないだろう。
元々ご両親との仲はあまり良くないってことは聞いていたしさっきも日和ちゃんとその事を話したばかりだ。
「そりゃ泣くよね……。」
「そんなに仲の良くない家族の所に帰るだけでもすごく辛いと思う……。優花は頑張ったよね。」
「うん……。」
何があったのか、僕たちにはこの時分からなかったけれどただただ、優花の力になれない無力な自分が嫌になった。

