クズにはクズのやり方で

「鳳凰。これ、資料確認したよ」

 さすが、吉岡さん。仕事が速い。

「どうでした?」

 恐る恐る吉岡さんの顔色を窺うように尋ねた。

「……うん、いいね。斬新だし、このままの調子で進んでみて。先方も期待していると思うから」

「はい、ありがとうございます」

 私は礼をしてから、自分のデスクに戻った。

 仕事は順調だ。

 自分のやりたいことができている。

 問題は本間くんにバレたことだ。

 いや、待って。

 男とホテル行ったことは別によくない?

 私、付き合っている人いないし、二股したわけじゃないんだよ。

 本間くん相手にビビッてるんじゃないよ、私。

 写真を消してもらわなければ。

 そうよ、新人の本間くんにビビるわけにはいかない。

「そうだ、やるぞ」

 自分のデスクにあった朝日の写真を眺めてから、仕事をする。

 終業時刻になる頃、佐藤が声をかけてきた。

「鳳凰さん」

「どうした?」

 椅子を回して、声がした佐藤の方へ体を動かした。

「あの……この案件なんですが、アドバイスもらいたくて、今お時間大丈夫ですか?」

 佐藤は申し訳なさそうに資料を両手に抱えて聞いてきた。