クズにはクズのやり方で

「…離さないから。この写真消してもらうまで」

 私は本間くんがスマホを取ろうとしたので、強く握りしめて離さなかった。

「……そう、言うと思いました。でも、ダメですよ」

 本間くんは私の手をグイと強く引っ張り、その間にスマホを取り返した。

 スマホを取られたことに気を取られていて、顔を上げると、近くには本間くんの顔があった。

「……なっ、なにしてんの!」

 顔が近すぎたので、少し距離を置こうと一歩引こうと後ずさりをした。

 その瞬間、また腕を引っ張られた。

「なんなの、本間くん」

「こんなことで照れるなんて。かわいい」

 本間くんは私の鼻を人差し指でツンと触ってから、微笑んでいた。

「な、上司に向かって、からかわないで。まず、腕離して」

 私は本間くんを睨んで、冷たい声で言い放つ。

「おおっ…怖い、怖い。わかりました。仕事戻ります」

 本間くんはあざ笑い、片手にスマホを持ち、両手で手を振って去って行った。

「……はぁ。ほんとさ、あああ!」

 本間くんに恋愛クズだとバレたこと、もちろん嫌に決まってる。

 私は周りの人にバレないかを一番恐れていた。

 これから、白い目で見られるのは確実だ。