クズにはクズのやり方で

「……鳳凰ちゃんより後に来たかな。彼もここの行きつけでいつも金曜日に現れる。その時に聞いたのは、十年以上付き合っている彼女がいるけど、仕事ができないんだって。本人曰くね」

 新しいカクテルを作ってから、オーナーはお客に「すみません」と呼ばれて、注文を聞きに行った。

 オーナーに言われた短髪の男性は切なそうにどこかを見つめて、おかきを摘み、口に入れていた。

 短髪男性の後ろを振り向いたまま、私は観察していた。

「……いやいや……ないない」

 私はオーナーの言葉を思いだしながら、頭を振って、「違う、違う」と否定した。

 短髪男性は私が見ていることに気づいたのか声を掛けてきた。

「なんですか? 僕になにか用があるんですか?」

 短髪男性は私を見て、なにこいつという様な顔をしていた。

 私は何を思ったのか短髪男性に思ったことを口にする。

「……あの…十年以上連れ添う彼女さんいます?」

 椅子に座ったまま後ろにいる短髪男性の方を向いて、オーナーから聞いたことをそのまま質問した。

「…え? ああ、はい。なんでそれを知ってるんですか?」

 短髪男性は眉を顰めて、私の様子を覗っていた。