クズにはクズのやり方で

 まだ仕事は残っていたが、これ以上やっても捗らないと思い、帰りの身支度をした。

 このまま家に帰っても、本間くんから言われた言葉にむかついて眠れやしない。

 この案件が済んだらバーに行こうと思っていたが、仕事に支障が出そうなので、気分転換にいつものバーに向かうことにした。

 こんな気持ちをバーで晴らそう。

 子どものようにスキップをして、バーへ向かった。

 バーに着いてドアを開けると、オーナーが笑顔で迎えてくれた。

「いらっしゃい。鳳凰ちゃん。何その顔どうしたの?」

 マスターは目を丸くして、私の表情を見た。

「…はぁ、ちょっとね。マスター、いつものください」

 椅子に腰かけて頬杖をつき、一つため息をつく。

 本間くんは仕事に対して、適当なのだろうか。

 今の若い者はこういう人が今は多いのか、全く持って理解が出来ない。

「そんな眉間にしわを寄せてさ。いつもの鳳凰ちゃんじゃないね。こんな時は誰かと会って、気分転換するんじゃないの?」

「うん、そう。でも、そんな気分じゃないんだよね」

「えー、なにどうしたの? 鳳凰ちゃんらしくない」

 マスターは私と知り合って五年になる。