クズにはクズのやり方で

 佐藤、ミスをするならミスをしないように努力してよね。

 今はミスは減ってきたけど。

 続いて、本間くんも私に伝えてきた。

「鳳凰さんは真面目で仕事ができますから、心から応援しています」

 心に思っていないことを口にしていると思うが、仕事モードな本間くんだから仕方ない。

「みんな、ありがとう。私、頑張ります」

 職員からの応援に押されて、私は憧れだった会社と仕事をすることになった。

 終業時間になり、職員は退勤していた。

 毎日、この繰り返しだ。

 今までの経験を生かして、デザインをしていく。

 憧れの会社と仕事が出来るので、一層気合が入る。

「よし、頑張るか」

 今はこの案件に集中したい。

 ここ数か月はあまり遊べそうにないし、バーには行けないな。

 はぁ、息が詰まるけど、今だけだ。

 よし!

 髪を結んでから、腕まくりをする。

「鳳凰さん、頑張ってますね」

 私の背後から声がしたので振り返ると、本間くんがいた。

「…本間くん。帰ったんじゃないの」

「これから帰ります。今日も残業ですか?」